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あまい甘い
蝶は花園を優雅に舞う
隣の彼女は髪を耳にかける
ゆっくりとこちらをみて
微笑むその顔は
まるで花のようで
僕の隣で咲き乱れる
甘い花の香りと共に
彼女の香水の匂いが
僕の鼻をくすぶる
そよ風が吹いては
花はふわーっと踊るように
空を舞う
彼女の髪もまた
宙を弧を描くように
行ったり来たり
そんな彼女に思わず
頰が緩んでしまう
赤くなってしまう
こんな僕をよそに
彼女の姿は近付く
そしてふいに
まるでゼリーを皿に開けた時のような
ぷるんとした感触に襲われる
微かに触れたその唇は
しばらくすると
すぅっと離れていく……
ほんのりと
甘い香りと風味が
僕の口を鼻を支配した
あぁなんて甘いんだ……




