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パレット
ぐちゃぐちゃに広げられた
その絵の具は
カピカピになって
今日もまだある
綺麗になることはないから
今日もまた色を作るだけ……
行き着く果てなんてさ
どうせ黒だけれど
行き着くまでの色は儚く美しい
だから洗い流すことが出来なくて
最後の最後に全てが混ざって黒になる……
そうそれが終わりである……
私の誰かを想う気持ちと同じである……
結果が見えているけれど
それでもまだ諦められなくて
少しの喜びが宝石のようにキラキラと輝いて……
けれど最後はやっぱり……
黒になる……
あなたは私を
あなたの瞳には描かない……
あなたの未来には
私は描かれていない……
そう全ては淡く儚い桜にも似た
私の心のパレット……
あなたにもきっとあるそのパレット……




