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夏も終わる
ヒグラシが鳴き続ける……
もう夏の終わり
蒸し暑さと気だるさが
なんとなく気持ちを重くさせる
まあそれだけじゃないけど……
夏の終わり……
君ともまたしばらくお別れ……
伝えようと引き止めた僕
けれど君は首を振って
踵を返す
そして告げる
また 来年ね!
君の声高な声が響く……
それが僕には
どうしようもなく
辛いのである
君の見えない表情を想像してしまう……
微かに震える声……
毎年されたら流石に僕も気付く
いや寧ろ
今まで気付かなかった僕は
一体何を見ていたのだろう……
日がゆっくりと沈み
ヒグラシの鳴き声が止んだ
そして––––––
僕は君を抱きしめた
うん、また 来年……




