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思い出す限りは……
部屋に差し込む月明り
微かに残るシャンプーの香り
枕に染み付いて
まだ君の温もりを感じる
いつの間にか広くなった
ダブルベッド
減らなくなった君のシャンプー
置き去りになった歯ブラシ
しばらく見ていない
お揃いで買ったマグカップも
今はただただ
僕を沈ませる……
まるでやる気が起きない……
まるで生きてる心地がしない……
君がいない…
毎晩君を思い出す
思い出せる限り
少しだけ楽なのだ……
思い出している時だけ
本当に生きている気がする……
君との思い出が瞼の裏に
映し出される限り
僕はもう少し生きていられるだろう……
君がいないこの部屋で
今夜もまたただ疲れたように眠りにつくのだろう……
君にいつかまた会えることを月に祈って……




