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一滴の涙
君の瞳は青を映す
僕を映さずに……
振り向いて欲しくて
視界に入る
けれど君の瞳には
僕は映らない……
君に触れることも許されない……
青を写した瞳から
一滴
また一滴と
零れ始めた涙……
僕は
そっと君を抱きしめる……
この手が腕が
君に触れられなくても
抱きしめる……
ただ
抱きしめる……
君が気付かなくとも……
確かに僕はここにいるよ
君の側にいつだって……
僕もまた一滴の涙が零れた……
君はきっとそれを
感じ取ったのだろう……
緊張の糸が切れたように
一滴
一滴落ちていた涙は
頰を伝うように
流れるように
溢れ出した……
大丈夫
泣いてもいいんだよ……
僕は君の側にずっといるよ……




