197/365
夏花火
賑わう公園
親子連れ
カップル
友人の集まりらしき人たち
まだか
まだかと待ちわびて……
ようやく……
バンッという音ともに
ハッと頭上を見上げる
夜空に打ち上げられた花火は
華やかに彩られ
見上げる人々の目を輝かせる……
僕は一人
立ち尽くし
見上げるだけ……
隣には誰もいない……
今年は誰もいない……
去年の夏は君の横顔しか目に入らなかった
君もまた目を輝かせて
見上げていたこの夏花火……
今年は僕一人で眺めている……
僕は君との
たわいも無い話を思い出しては
もう一度君に会いたいと
そう花火に込めた……
見えていますか?
僕は君の分までここで頑張るよ……




