192/365
叫びたいのに……
目の前に広がる
広大な海へ叫びたい
夕日は水面に
ゆらゆらと
ギラギラと
揺れ映る
人気も減りつつあるこの浜辺
私は一人佇む……
思い出をなぞるように
足を運んでしまった
全く何をやっているのか……
自分でもそう思う
お腹の底から
胃を蹴り破るように
声帯を蹴り破るように
沸き立つ想い……
私は必死にこらえる
今ここで叫んでしまったら
あなたが
あなたがいないことを
受け入れてしまったことになるから……
私はあなたの傍にいたい
ずっとずっと
あなたの傍に……
私は今日もお腹の底に
胸の奥深くにある
この想いを声には出さず、
心の内側で叫び続けている……




