19/365
代わり
この瞳に映る
あなたの面影を探して
降り始めた雪の中を
一人ぼっちで歩く
あなたとの帰り道
あなたとの待ち合わせ場所
あなたとの思い出の詰まった
大切な 大切な場所を
順に巡ってゆく
あなたは今 隣にいないけれど
どこかにあなたがいるかもしれない
どこかで待っているのかもしれない
そう思うと次第に早足になった
変わらない 変えられないとわかっていても
私のこの体はあなたのぬくもりを求めて
勝手に動いてしまう
あなたに届かないこの手
あなたに届かないこの想い
静かに胸に押し当てては押し込んで
胸の奥深くへと閉じ込めた
残る後悔 残る温もり 残る優しさ
今の私にとっては刃物も同然だけれども
それを受け入れ包み込む鞘の代わりに
私はなりたい
あなたがこれ以上
自身を傷つけぬように




