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私だけが忘れない
腐った木のベンチ
錆びた滑り台
錆びたブランコ
忘れられた
寂れた公園
私は今日も
そこに足を運ぶ
思い出をなぞるように……
辺りを見渡す
あなたの姿もないけれど
過去の残像が
私に語る
あの時は知らなかった
この胸を
ぎゅーっと
握られるような圧力
寒くなんてないのに
なんだか
内側から冷えているような……
そんな変な感覚
あなたが隣にいなくなって
知った
初めての感覚……
絶望や失望
恨みや憎しみとか
そんなものではなくて
ただ
寂しい
悲しい
と私の心が叫んでいるのだろう……
だから私は
この公園に足を運ぶ
気を紛らわせるため……
私だけが覚えている
私だけが忘れないでいるから……




