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残された私
小さく囁く
あなたの言葉に耳を傾ける
けれど私は聞き取れなくて
最後の言葉も聞けぬまま
ただあなたを見送る
幾度となくあなたは夢にでる
その度に君を追いかけては見失う
現実も同じ……
何も変わらない……
願ったところで
どうしようもないこと
祈ったところで
どうしようもないこと
ただ
叶うならと縋るように
夜空に浮かぶ月に願いを込めて
祈りを捧ぐ
あなたに会いたい
最後の言葉を聞きたい……
溢れる想いは零れるばかりで
一人だけになった部屋に
その音は
夜通し響き渡る……




