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リタイア
ふと
目を覚ます
気怠さの残る朝……
目尻から乾いた液体の感触が広がる
カピカピになったそれを擦る
重たい体を無理矢理動かしては
洗面所で鏡に映る自分の姿を見る
そして
顔を洗った
何度も 何度も 何度も……
何度洗っても私の顔は冴えない
シャキッとしない
虚ろな目を平然と眺めて
これが私だから
仕方ないか……
今日も私はそう自分に言い聞かせた
全てを受け入れた
受け入れるとその時はなんだか楽だ……
ただ時間が経つにつれて
私の体を……
心を……
蝕んでゆく
もうどうしようもない……
鏡に映る私が虚像だとしても
別に変わることはない
何も変わらない……
私はとっくにこの人生というゲームから
リタイアしたのだから……




