115/365
声溜め
ありがとう
ごめんね
さよなら
また明日
何気ない言葉なのに
どうして言えないのだろうか……
どうして言えなかったのだろうか……
すぐにでも沈みそうな夕空を
ぼんやり眺めては
後悔を重ねる
君の姿を探してしまう……
駅の改札
思い出の公園
なぞっても
なぞっても
君の姿は見つけられない……
伝えたい言葉を胸に押し込め
今日も君を探してしまう
ありがとう
ごめんね
さよなら
また明日
僕の中で何度も呟いては
雪のように積もり続ける
今の僕を繋ぎ止めているのは
たったそれだけだから……
君に会いたい……
ただそれだけだから……
沈む太陽を眺めるたびに
僕の声は溜まる
満たされることのない器に……




