プログルブオンライン料理王決定戦2
「銀笑選手は、これはケーキですかね?」
ボウルには溶き卵と薄力粉と砂糖が入り、それを混ぜながら湯煎したチョコレートとバターを少しずつ入れている。
「あれは生地でしょうから、チョコレートケーキでしょう。カップを用意していますから、カップケーキのようなものだと思います」
その実況と解説を聞きながら、銀笑は内側にバターを塗ったカップに生地を半分まで流し込む。そして、そこに固形のチョコを三つ入れ、挟み込むように上から生地を流し込んだ。
「あら、アレは【フォンダンショコラ】ですね。中からチョコレートが流れる洋菓子です」
くるりの解説どおり、銀笑はフォンダショコラを作っていた。カップに入れた生地をオーブンに入れて焼き始めた。
マナは生のサーモンを薄切りにし、それをレンゲに乗せる。
「マナ選手は【ワンスプーン料理】ですね。レンゲに一口で食べられる料理を乗せるんです。多様な料理を一口で楽しめるのが魅力です」
くるりの的確な解説に観客席も感嘆の声を上げる。
レンゲに乗せたサーモンの上にチーズを重ね、上からレモン汁と醤油を垂らして完成。
そして、ワンスプーン二品目。マナは蒸し上がった鶏肉を一口サイズに切り、レンゲに乗せる。その上から先ほどのオレンジソースをかける。
その二品を三人分作り、
「完成です!」
と、言葉を発する。
「おっと、マナ選手が一番乗りで完成させました。残りの二人はどうでしょうか」
鈴太が銀笑とチーエを見る。
チーエは焼きあがった肉を適当な大きさに切り皿に乗せ、その上にソースをかける。
「あのソースは序盤に切っていた野菜ですね。ペーストでは無く、フレッシュサルサソースのようですが」
「確かにフレッシュサルサのように見えますが、味付けの調味料が本来の者とは違ったようでした」
実況と解説の二人が首を傾げている間に、チーエの調理が終了した。
銀笑は、オーブンからフォンダショコラを取り出し、皿の中央に置いて横に生クリームを添えた。
そして最後に何かをフォンダショコラにスプレーで吹きかけた。
「アレは何を吹きかけたんでしょう?」
「正直に言って解りませんが、果汁かお酒でしょう」
そうして全ての料理が出来上がった。審査員は鈴太とくるり。それに加えて一般プレイヤーから選ばれた、自称食通の寅次が審査をする事になっていた。
場所移動は特になく、実況席がそのまま審査員席になった。そして目の前には一番最初に出来上がったマナのワンスプーン料理が並んでいる。
「最初はサーモンのスプーンから食べてみてください」
マナの言葉通りサーモンのスプーンを一口で頬張る。
サーモンの脂に混ざるようにチーズのコクが加わるが、レモンの果汁がサッパリとした酸味が調和をもたらす。そこに醤油の塩味が美味しさを引き立たせている。
「前菜と言うことではとても美味しいと思います。食材を最低限の味付けにすることで、際立つ美味しさですね。過剰に味付けをしては美味しくは無かったでしょう」
くるりが水を得た魚の様に饒舌に喋る。
「サーモンが苦手と言う人に向いているかもしれませんね。サーモン独特の味もチーズとレモンで軽減されている感じがします」
鈴太も上手い感想を告げる。




