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プログルブオンライン料理王決定戦1

 暗い空間。そこに突如一つの光が生まれた。

「それでは、第一回【プログルブオンライン料理王決定戦】を開催いたします!!」

 男性プレイヤーがマイクを通した声で高らかに宣言する。すると、彼を囲むように設けられている観客席から割れんばかりの拍手と歓声があがった。

 今回の大会のために新設された会場【プログルブオンライン料理王決定戦】。その会場で熱い戦いが繰り広げられようとしていた。


 いまだに司会者以外には明かりは当たっておらず暗い。しかし、観客の注目を集めるには都合が良かった。

「今回、この大会に参加したプレイヤー人数は三十人。予選、本戦を勝ち残り、決勝戦となるこの舞台に進んだのはたった三人!」

 そこでまた観客席から歓声が上がる。司会者はそれを静止すると、またマイクを通して話し始める。

「新進気鋭。予選から誰も思い付かないような調理法を実践し、好評を得て決勝の舞台までやってきた才女。【チーエ】」

 その瞬間、チーエにスポットライトが当たる。彼女は恥ずかしそうに顔を赤らめる。

「偶然なのに。友達とノリで参加して、見よう見まねで料理作って、よくわかんない調味料を入れまくっただけなのに」

 と、誰にも聞こえない程のか細い声で言った。


 司会者にもそれは聞こえず、次の紹介に移った。

「見かけによらず繊細な味、見た目も華やか。審査員の視覚も味覚楽しませてくれた【銀笑ぎんしょう】。未確認の情報ですが、リアルでもスイーツショップを経営しているそうです」

 銀笑のアバターは熊のような体格で、いかにも戦闘メインのキャラクターに見えた。

「ゲーム中でくらいカッコいい姿にしとくべきだったかな」

 ぼやきながら自分の手を見つめる銀笑だった。


「そして今大会最有力優勝候補。プログルブオンライン内で絶大な人気を誇る喫茶店。やすらぎの店長であるマナ。予選でも安定した料理で勝ち抜きました」

 優勝候補という事で人気も高く、一番の歓声が轟いた。

 全員の紹介を終えたことで、会場全体にライトが灯る。

「さて、時間の関係もありますから早速戦いを始めましょう」

 そこで一呼吸。

「決勝戦。その対決メニューは……【フリーテーマ】です。和でも洋でもスイーツでも、何を作っていただいてもかまいません。制限時間は六十分。時間内であれば何品作っても良いです。ただし、審査員は三人ですので必ず三人前を作ってください」

再度一呼吸。

「それでは、調理開始!!」

 その掛け声と共に銅鑼どらが鳴る。その瞬間に三人は駆け出す。目指す先は会場の中央。そこには食材があった。大きな台の上には数多くの野菜と肉の塊、そして水槽には多くの魚介類が悠々と泳いでいた。

 駆け寄った三人は思い思いの食材を取り自分のキッチンスペースに向かう。


 料理対決と言うこともあり、会場には実況ブースが設けられていた。そこには実況の【鈴太りんた】と解説の【くるり】が座っており、調理を始めた彼らの一挙手一投足に目を光らせていた。


「さあ、全員が調理を始めましたようです。銀笑選手はチョコレートを数個、刻んでいるようですね」

 実況の鈴太が、早くも仕事を始める。

「スイーツなのは間違いないでしょうが、今の段階では選択肢はいくつかありますから、後の調理で判明すると思います」

 今の段階での解説は不可能なので、そっけない対応に終わるくるり。


 チーエは先ほど牛肉を取ってきた。ある程度の厚さを持って切られていた肉。それを熱した三つのフライパンの上にそれぞれ置く。

 脂の跳ねる音が聞こえる中、チーエは野菜を切り始める。

「チーエ選手は肉を焼き始めて、野菜を切っていますね。アレがステーキだとすると、付け合わせでしょうか」

「予選でも彼女は予測不可能な料理を作っていましたから、確かな事は言えませんが、ソースの可能性かありますね。ペースト状にすれば、美味しいものが出来ると思います」

 

 一方マナは鶏肉を蒸していた。

「マナ選手は鶏肉を蒸しているようですね。他にも様々な食材が並んでいますね」

「今、オレンジを手に取りましたね。これはソースでしょうね」

 その解説は正しかった。マナはオレンジを半分に切り果汁を取り出す。それをフライパンに入れ少し煮詰める。塩やコショウなどで味を付け、ある程度に詰まったところで火を消してなじませる。


お待たせしました。今後は以前と同様に投稿していけると思います。

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