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図書委員会の悩み2

 四人は喫茶店やすらぎのテーブルに着き、メニューを開く。

「何食べようかな。此処って目移りしちゃって困るんだよねぇ」

「わかる。どれも美味しいもんね」

 女性陣が盛り上がる中、委員長は決め終わったのかメニューを閉じる。

「エラン、決めるの早いな」

 聞いてきたあやとに、

「俺は此処に来るまでに【焼うどん】って決めてきたんだよ」

 と答えた。

「焼きうどんかぁ、暫く食べてないな。俺も焼うどんにするか」

 そんな会話があれば、何を食べるかで迷っている女性陣も影響を受け、あっさりと注文する料理が決まる。

「私も焼うどんにしようっと」

「なら、私も」

 全員の注文が決まったところで、テーブルに料理を運び終わったマナに向かって手を挙げる。

「すいませーん。注文大丈夫ですか?」

「はい、大丈夫ですよ」

「焼きうどんを四つ、お願いします」

「かしこまりました。少々お待ちください」

 注文を終え、一息つく。


「休みの日にも集まって会議をするなんて、委員の鑑だよな」

 あやとのセリフにエランは苦笑を漏らす。

「委員長としては、土曜日曜に委員を集めるのは心苦しいんだがな。皆には感謝してるよ」

「私たちは三年生だからね。後輩たちに残してあげられる事は多いにこしたことは無いわよ」

「そうそう、今回の図書だよりがウケれば、【生徒によく読まれる図書だより】を託せるんだから安いもんよ」

 みゆきとシロノも、笑顔でフォローを入れる。それぞれが図書委員会を楽しんでいるのは間違いなかった。



「お待たせしました。焼きうどんです」

 運ばれてきた焼きうどん。醤油の焦げた匂い、踊るカツオ節。それだけで美味しい事を確信する四人。

 箸を取り麺を啜る。

 もっちりとしたうどんに醤油が絡んでおり、出汁の香りも強い。

 ニンジンの出す少しの歯ごたえ、シャキシャキ感のハッキリしたもやし。独特の食感と味のシイタケ。

「煮込みうどんも美味しいんだけどね。焼くのも美味しいよね」

「煮込めばツルツル、焼けばもっちり。魅力が料理ごとに変わるなんて最高だよな」

 委員長の、最高だよな。の一言にあやとが以前から思っていたことを聞く。

「なぁ、お前ってうどん好きなのか?」

「ん? うどんは俺の大好物だが?」

「そういえば、委員長って学食で頻繁にうどん食べてるね」

 シロノが思い出して告げる。

「毎日うどんでも良いくらいなんだけど、流石に栄養の事もあるから止めてるけどな」

 残念そうに告げるエランの顔は、出会ってから一番の悲しさに溢れていた。


 全員、焼きうどんを食べ終えたところで、委員長がもう一度メニューを開く。

「まさか、もう一皿? それとも煮込み?」

 みゆきが驚きながら委員長の顔をうかがう。

 その言葉に、苦笑を見せながらエランは否定する。

「そんなわけないだろ。休日登校の手当てってことでデザートでもご馳走しようかと思ってな。ケーキで良いか?」

 気を使わなくても良いのに。と三人は思うが、彼の行為を無下にする者もいなかった。

 

 後日、発行された図書だよりには超難度のクイズが掲載された。そして、クイズの異常な難しさに気付いた生徒が騒ぎ始めたのがきっかけとなり、目論見通り【生徒によく読まれる図書だより】となったのだった。


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