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図書委員会の悩み1

 ある土曜日の朝。同じ高校の同じ委員会に所属している四人が、プログルブオンライン内で作った自分たちのギルドに集まっていた。

 六人は丸テーブルの席に着き、神妙な顔をしている。そして、一人がおもむろに口火を切った。


「さて、今日は図書委員会である我々の永遠の課題、【図書だより】についてだ」

 毎月一回発行される図書だより。しかし、学校からの発行物は得てして読まれないものだ。製作者がどんなに苦心して作ったとしても、それを受け取った生徒の殆どが目を通さずに折り畳むのが常だ。

 図書だよりも、さまざまなコラムやコーナー、ランキングを作成したが、どれも振るわなかった。


 その事を前日の日没まで話し合ったのだが、今回はこれと言った解決策は見えないままだったので、委員長を始めとした三年生四人が集まって相談しようとなったのだった。

「貸し出しランキングと、泣ける最新本のコラムは惨敗だった」

 図書委員長である【エラン】。彼が議長を務め、会議を進めていた。

 そして、エランの惨敗というワードが場の雰囲気を暗くする。


「次の手を考えなければ、今度もただ仕舞われるだけの配布物に終わってしまう」

 そこに、黒髪でアイテムの眼鏡を付けた少女【みゆき】が手を挙げる。

「今までも、色々なアイディアを実行したじゃない? 最新の本のレビュー、一人の作家さんの作品を皆で読んだりしたけど反響は無かったよね」

 決して手を抜いているわけでなく、毎回試行錯誤を繰り返している。しかし、どれもこれもイマイチな結果しか生まなかった。


「それに、図書に関した情報なんて完全に限られるだろ。それこそレビューかランキング、作者に関する知識。それくらいしか思いつかないじゃん」

 水色の髪を短く刈った少年【あやと】は、眉間の皺をほぐしながら言った。

「確かにそうなんだが、それじゃ駄目なんだ」


 頭打ちなのか、発想が固いのか皆が悩む中、図書委員のアイディアウーマンたる【シロノ】が今まで考え込んでいた表情を止め、口を開く。

「やっぱり必要なのは、参加型なんだと思う。ただ読むだけじゃなくて、図書だよりの中に本に関する【クロスワードパズル】みたいな要素を盛り込むのはどうだろ?」

 委員長とみゆきは、確かにその手は有る。と頷くが、あやとだけは水を差すようで悪いが、と前置きをして自分の意見を述べる。

「毎月クロスワードパズルの問題を考えるんだよな。しかも本関係となると、ハードル上がらないか?」

 あやとの意見に委員長も渋い表情になる。

「そう言われればそうなんだけど、でも、今までの図書だよりと比べれば光は見えるだろ」

 アイディアに肯定も否定も付きもの。むしろ肯定のみの方が違和感がある。という持論を持っている彼女は次のアイディアを出す。

「うーん。じゃあ、単純にクイズは?」

「クイズ? クイズって普通のクイズ?」

 みゆきの疑問に、シロノは左の人差指をチッチッチと振り、補足をする。

「クイズはクイズでも超難度の問題を用意します!」

 ババンッ! と打ち出したそのアイディアに一同は驚きを持って答える。

「簡単なクイズじゃつまらないでしょ? だから全校生徒が解けないようなものなら、少しは話題になると思うんだよね」

 そのアイディアに反対する者はいなかった。

 丁度良い難易度なら暇つぶしにはなるだろうが、話題にはなりずらい。しかし超難度ならば、【解くことの出来ない問題】・【図書委員会の本気】などの話題に繋がる可能性がある。

 その事に気付いた図書委員会一同の行動は迅速だった。分担で資料を集め、クイズを考えてはボツにして考えてはボツにしてを繰り返し、出来上がったクイズを図書委員会の顧問の先生にメールで送信する。

 全員のため息が重なり、脱力して椅子の背もたれかかる。

「勢いで半年分のクイズを作れたな。これで先生のOKが出れば、今月の図書だよりから載せられる」

 疲弊しきった顔で委員長が笑う。

「仕事も終わったし、やすらぎ行ってメシ食わね?」

 あやとの提案に、皆が頷く。


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