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寒い日おでん2

「ちくわぶ美味めー」

「俺ここで始めてちくわぶ食ったよ。何とも言えない食感だよな」

「ちくわぶって関東だけの具なのよね。確か」

 男女三人でテーブルを囲む彼らは、自分たちの地域のおでんの話をしていた。

 もはやこの喫茶店やすらぎの名物。設備さえあれば、どこからでもログイン出来るオンラインゲーム。そのゲーム内の食事処では、自分の故郷の味を伝え、他の地域の食べ方を聞いて驚くのが当たり前になっていた。


「家では味噌だれ付けて食べるよ」

「味噌だれ? おでんに??」

「それが美味しいんだって。おでんの出汁と味噌が奏でるハーモニー」

「こっちではイワシの削り節かけるんだよ。青ノリもかけるな」


 そんな話題で盛り上がっている彼らに、別のテーブルに料理を運んでいたマナが言う。

「不定期ですけど、おでんは作りますし、出汁も具材も色々な地域のものを作りますから、その時は是非いらしてください」

 お待ちしています。と言い残し厨房に戻るマナの背中に、絶対来ます。と宣言して彼らもまた自分たちの会話に戻る。


「そろそろ焼きおにぎり頼むか」

 おでんのシメ。喫茶店やすらぎでは【焼きおにぎり】が流行っている。焼きおにぎり単品を食べるのではなく、おでんの出汁をかけお茶漬けの様にサラサラと食べるのである。

 マナに焼きおにぎりを三つ注文する。


 待つこと十数分、注文の焼きおにぎりが来たので、早速お茶漬けにする。

 こんがりと焼けた表面。それに様々な具材から溶け出し、旨みが詰まった出汁をかける。器は出汁と焼きおにぎりで一杯になった。そして、スプーンでおにぎりを崩し一口食べる。普通に出汁を飲むより、ご飯が加わるだけで格段に美味しい。お焦げの部分の香ばしさとカリカリとした食感、出汁の旨みが見事に合わさることで生まれる最高のシメ。

 それを休みなく食べ、器が空になったところで一息つく。

「はぁー。ご馳走様でした」

「美味しかったねぇ」

「やっぱシメは大切だよな」

 口々に美味しかったと話しながら、次はどの地域のおでんなのかを楽しみに、彼らの夜は更けていった。


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