秋の味覚2
隣が既に食事をとっているので自分も、とメニューを見て【サンマの塩焼き定食】を選ぶ。
「サンマの塩焼き定食を下さい。ご飯は白米でお願いします」
「はい。少々お待ち下さい」
マナは注文の料理に取り掛かる。
注文の料理が出てくるまで友人たちと食事の邪魔にならない程度に会話でもしようかと、二人に顔を向ける。
しかし、双子は驚きを隠せない表情で未甘を見ていた。
「な、何? 私何か変なこと言った?」
「今、栗ご飯にできるんだよ?」
「知らなかった?」
変えるなら今のうちだと教えると、未甘は困ったように笑った。
「私、ご飯に栗とかサツマイモとか入ってるのダメなのよ」
それを聞い双子は納得したように頷く。
「そっかぁ、それじゃあ白米の方がいいよね」
「食わず嫌いじゃなくて? 私の一口食べる?」
「うーん、食わず嫌いかと言われればそうだけど、感覚的には酢豚のパイナップルとか、カレーのライスにレーズン。とかかな」
確かに好き嫌いが別れる好みだ。
そうこうしているうちに注文した料理が目の前に出てきた。
「お待たせしました。サンマの塩焼き定食です」
出てきた品に笑顔を覗かせながら未甘は箸を手に取る。
「いただきます」
サンマに箸を入れる。パリッとした皮を破り、身をほぐす。そしてそれを一口。
「美味しい~! やっぱり旬の魚は違うよねぇ」
一口目から間を置かずに、もう一度箸をサンマに向ける。そして腹の部分の骨を取り、【ワタ】を食べる。数度噛みしめてから感嘆の声を上げる。
「この、ほんのりとした苦味が堪らないわぁ」
ねっ! と双子の方を見ると、またしても驚きを隠せない表情をしていた。
「あれっ!? 内臓食べない?」
うーん、と唸る双子。
「そうかぁ。美味しいんだけどなぁ。……ホルモン系もダメ? ミノとかハツとかギアラとか」
「焼肉では食べるよね」
「うん、食べるね」
二人は頷く。
「焼肉いけるんだったら魚もいけるんじゃない?」
「牛肉と魚は違くない?」
「そう言えば、大学近くに出来た焼肉屋さんも美味しいらしいよ」
「人気らしいね。食べ放題もあるとか」
「今度行ってみる?」
「行ってみようか」
「良いけど、今度は待っててよ?」
サンマのワタを食べるかどうかの話から、大学近くの焼肉屋に行く話になったが三人は気にしない。
「この間、ヌサマ湿地の隠しダンジョンが見つかったらしいよ。攻略組が本腰入れても難しいんだって」
「連休があれば、攻略出来るまで永遠にトライするんだけどなぁ」
「土曜日曜だけじゃ難しいかもねぇ」
「講義もサボれないしね」
「まぁ、いずれ行けるでしょ。それまでは地道にレベル上げてのんびりしようよ」
いろいろな話題が飛び交いながら、秋の味覚を堪能する彼女たち。
定食を食べ終えると、デザートのモンブランを注文し、また様々な話題を繰り広げていった。




