紅葉の森2
たまごサンドの次は、【照り焼きチキンサンド】。
焼いたパンにバターを塗り、片方にはレタスを敷く。そして、厚めに切った鶏肉をこんがりと焼いたものに、醤油ベースの甘辛いタレに絡めて乗せる。
その上から、マヨネーズとカラシを混ぜたソースをかけてパンで挟んだ。
そして、それもまた一口食べる。
厚い肉の弾力に、溢れてくる肉汁。その肉汁と甘辛いタレが混ざり、なおかつカラシマヨネーズも混ざることで、醤油ベースしょっぱさだけでなく、マヨネーズのコクも加わりながらカラシが締める。
もぐもぐと食感と味を堪能しながら、上を眺める。
「外で食べると本当に美味しいですね」
楓の葉が風に揺らされて、数枚が空中を漂う。全ての葉が落ちてしまうのも時間の問題だろう。それは残念なような気もするが、一年に一度だからこその美しさなのだとマナは感じていた。
照り焼きチキンサンドも食べ終え、バスケットにある最後のサンドイッチに手を伸ばす。
それはデザートとして作った【フルーツサンド】。
パンに生クリームとイチゴ・キウィフルーツ・オレンジなどのフルーツをふんだんに使った一品。シンプルながら、それによって材料の美味しさが際立つ。
それを頬張ると、パンは焼かないことで、モッチリとしたパンの食感を活かし、生クリームのこってりとした濃厚さを楽しみつつ、フルーツを噛めばほのかな酸味が生クリームを爽やかにまとめてくれる。
最後の一口を食べ、満足しながら手を合わせる。
「ごちそうさまでした」
バスケットを片付け、またのんびりと紅葉を眺める。
時間帯によっても風情が違うので飽きる事無く眺めていたが、流石に日が沈みかける頃には帰る準備を始める。
「暗くなる前に帰りましょう。また来年、来れたら良いなぁ」
片付けも終わり、紅黄の森を後にする。来年はサンドイッチではなく、おにぎりにしようか、たまには誰かと一緒に来てみようかと、来年の紅葉の季節を楽しみにしながら、喫茶店やすらぎに帰るマナであった。




