サッパリ美味しい2
注文を受けたマナは、冷蔵庫から三枚に下ろされた鯵の切り身を人数分と、マリネ液を取り出す。
それに塩とコショウを振りかけ、小麦粉を付けて焼く。(揚げる)魚を揚げるとパチパチと油がはじける音がし、白身魚の柔らかい香りもする。
揚げ上がった鯵をパッドに乗せ余分な油を切ってからマリネ液に付ける。
マリネ液は、薄く切ったタマネギとニンジン、ピーマンを具材に、酢、砂糖、塩、出汁汁、赤トウガラシをベースに、レモン果汁を少し加えて爽やかな香りを足した。
マリネ液の野菜は、もうすっかり味が染み込んでいるので、鯵の方には味の染み込みは軽くで問題ない。
そしてそれを皿に盛る。鯵を四切れ置き、その上に白、オレンジ、緑の鮮やか色が映える様に野菜を高く積む。
【鯵の南蛮漬け】、【ご飯】と【みそ汁】、そして小鉢に【ホウレンソウの胡麻和え】、【お新香】。以上で鯵の南蛮漬け定食は完成。
「お待たせしました。鯵の南蛮漬け定食です」
目の前に定食が並ぶと、彼らは早速箸を持った。
いただきます。と声を揃え鯵にかぶりつく。
「うめぇな。サッパリした感じだ」
「酢の酸味だけじゃなくて、フルーツっぽい酸味もあるかな」
「魚も良いが、野菜のシャキシャキの食感も良いよ。味も染みてるし」
鯵と野菜、ご飯。お新香。みそ汁。胡麻和え、ご飯。
最初は少しずつ口に運んでいた彼らだが、次第に一口の量とスピードが上がってくる。
数カ月前までの勢いを取り戻し、どんどんと皿から料理が減っていく。そして白米が無くなった一人がマナにお代わりを頼む。
「すいません。ゴハンお代わり下さい」
それに続くように、ご飯茶碗をマナに渡す光景が続いた。
美味しい料理を味わいながら、少し前の青春の話に花を咲かせる。友人と言うものは暫く会わない程度では変わらないものらしく、どこまでも笑い合った。
「やっぱりお前らと会うのは楽しいわ」
「高校の時のノリが通じるからな」
ゲームの中ならば、少しの時間でも顔を合わせることができる。これからも予定を合わせ、集合し美味しい料理を食べながら笑い合う。これからの彼らは、部活でのコミュニケーションから、喫茶店での料理と笑い話のよるコミュニケーションに移行したのだった。




