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初来店2

「美味しー!なにこれ、ゲームだから!? 味覚が誤魔化されてるの!?」

 初めてのゲーム内での料理に感動の沸点が低くなっているのか、イークが感激の声を上げる。それに釣られるように茜とうさうさも頷いている。

「誤魔化されてはいないと思いますよ?」

 クスクスと笑いながら、三人のテーブルに近づく人影。彼女たちはその人物を見上げると、それはマナだった。


「プログルブは味覚の再現率は百パーセントです。百二十パーセントでも、九十パーセントでもないんです」

 だから、美味しいと思っていただけるのは嬉しいです。と付け加え、マナは厨房に戻っていった。

 彼女たちは感心したように食事を続けていると、だんだんと客数が増え賑やかになってきた。

「マナちゃん、唐揚げと揚げ出し豆腐、あとビールもらえるかい」

 店に入ってくるなり注文をする男性。


「すいませーん。こっちにもから揚げくださーい」

 テーブルを囲う男女のパーティ。

 茜は、満員となった店内を見回す。彼女の瞳に映ったのは、誰もが楽しそうに食事を楽しみながら笑っている姿。


「プログルブを選んで良かったね」

 ポツリとつぶやいたセリフに二人は微笑んだ。

 雰囲気に押され、三人はもう一品頼もうかと相談し、ピザを一枚注文し皆で分けようとなった。


 代表して茜が手を挙げる。

「注文良いですか?」


 マナはテーブルに近づき、注文を聞く。

「えっと、マルゲリータを一枚下さい」

「かしこまりました。ところで、今日が初めてのログインなんですか?」

「そうなんですよ。面白いゲームだってサイトで見つけたんです」


 そこでマナは一つの質問をしてみる。

「感想を聞いても良いですか?」

「始めてから数時間しか経ってないですけど、とっても面白いです。料理も美味しいですし」

 マナは、その答えを聞いて自然と口元がほころんだ。

「そうですか、ありがとうございます」

 料理もだが、プログルブの運営の一端を担っている身として、ゲーム自体を褒められるのもうれしい事だった。


 その間も喫茶店やすらぎは賑やかだ。静かさを売りにしている店ではないので、限度が守られている限りは注意などはしない。だが、初来店の彼女たちには少々居づらい雰囲気に映ってしまっているかもしれない。なので、フォローを考えていると、


「こういう雰囲気っていいですよね。温かくて、ゲームってことを忘れそう」

 と、うさうさが言った。

「だよねー。これで成績が下がったらお母さんに怒られるよね」

 同意するイーク。

「私たち、すっかりプログルブとこのお店にハマっちゃいました。今度来る時までに、もっとお金を貯めてきますね」

 笑顔の茜にマナも笑顔を返す。

「いつでもお待ちしていますよ。では、マルゲリータを直ぐにお持ちしますね」

 こうして、喫茶店やすらぎに新しい常連客が誕生した。


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