第3話
そのころ城下では、この物語のもう一人の主人公が動き始めていた
そこは、一つの花屋でした
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「うぅ~ん、いいお天気」
一人の女性がお店から出てきた
「おはよう、ルイカちゃん」
「おはようございます、おばさん」
「本当に働き者ね~
うちの息子にも見習って欲しいものだわ」
「そんなこと無いですよ
私は、この仕事が好きですし
家を守っていきたいと思っていますから」
「...そう、頑張ってね」
「ありがとうございます」
「いつもの貰おうかしら」
「はい、ちょっと待っていてください
すぐ準備しますから」
「はいよ」
そういって女性がいなくなった後
「なんで、あの二人は、こんないい子を残していってしまったのかね...」
しかし、その呟きは女性には聞こえていない
その意味が分かるのは、もう少し後のことなのです
「お待たせいたしました」
「ありがとう
はい、お金」
「!?
おばさん、お金多いですよ!!」
「貰っておいてちょうだい
いつも、ひいきにして貰ってるし
頑張っているお駄賃よ」
「....でも」
「いいのよ、お互い様でしょ?」
「...分かりました
これからもよろしくお願いしますね
おばさん」
そう言うと、困った顔から大洋のような笑顔を見せた