例えばこんなバレンタイン
眠い中一生懸命書いたよ^^
2月14日木曜日。朝。
いつもと変わらない朝。
俺はベッドの上で夢と現の狭間をさまよっていた。
しばらくこのまどろみに身を任せたいのだが、残念ながら日本の平日には学校がある。しかも、なにかイベントがある。
だが、少なくともぼっちな俺にとってはこの日は平日でしかない。
今日は俗にいうリア充どもの祭典。
ルイ1世の死去により3人の子の対立が激化していた中、長子ロタールに対抗するためルートヴィヒとシャルルが同盟を結んだ日(ストラスブールの誓い)もといバレンタインデーである。ルイ1世なんも関係ねえし。
バレンタインデーとは、なんかリアリア充々している男女間(友チョコを除く)で繰り広げられるチョコ争奪戦勃発の日である。違うか?違うね。
まあ、俺はリアリア充々してないし、そもそも女に興味が無い。いや、本当だよ?部屋にえっちぃ本なんか無いんだからねっ!!
そもそも、俺は修行僧だから。興味ありませんから。マジ興味ありませんから。それに、明日はキリスト様の命日だから今日より明日頑張らなきゃ!!いや、俺仏教徒じゃねえの?
と、軽くいつもの様に脳内でひとりで気の済むまで盛り上がって部屋からでて、リビングにいって朝の準備を始める。
適当に準備し終わったら家をでて学校まで歩を進める。
あー、なんかチョコ食いたいなあ。全国のチョコ持ってる女性は俺のとこまでご連絡下さい。まあ、沢山貰っても逆に困るわけだが。そういう困るなら全然オッケーなわけで、むしろレッツパーリーなわけだ。
と、無駄な思考を廻らせていると一台の車がフラフラとこっちにやってくる。
おー、陽気な車だなあ。
と思えたのも束の間。その車は俺の方に突っ込んできやがったのだ。まあ、よけたけど。フー俺じゃなかったら死んでたかもな。てか、中の人大丈夫なの?なんか、まだフラフラと運転してるよ?
いや、バレンタインの日に学校にたどり着けずに死ぬとか無いですよ。べ、別にチョコが貰えると期待してるわけじゃないんだからねっ!!
そうこうしてるうちに学校についてしまった。ドキドキ。
さあ、校門をくぐるぜ!!
………あれ?下駄箱ついたよ?チョコだれもくれないの?あー、わかったぞ!!下駄箱に入ってんだな?
………いや、入ってないんですけど。
あれか、直接手渡ししたいけど恥ずかしくて渡せないってやつか?もー、恥ずかしがりやなんだから!!……違うか。
と、とりあえず教室に行こう。
と、俺は教室まで歩を進める。気持ち早歩きで。
ーーガラララ。
教室の戸を開けるとそこにはにぎやかに談笑するクラスメートの姿があった。見るとチョコをあげたり、貰ったりしている。
あ、俺のあるかな?俺の!!
まあ、待とう。果報は寝て待てっていうしね。……寝るか。
俺はいつも通り自分の机で寝る事にした。だが、その前に次の授業の準備をしなくては、と思い。机の中から教科書類を取り出そうとする。と、なにかが机から落ちた。見るとそれは綺麗にラッピングっされた、箱だった。
うふふ。これなんだろう?なんか、安住裕太君へと俺の名前が書いてるけどチョコかな?そんなはず無いよね。いや、百歩譲ってチョコだったとしても間違いか、ドッキリだよね。俺は騙されねえぞ?
しかし、周りを確認してもドッキリでよく見かける看板は無い。じゃあ、チョコじゃないのか…。まあ、良いや。俺は奇麗な箱をカバンにしまった。いや、だってチョコかもしれないじゃん?
「クソオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」
俺がカバンにチョコ?もとい奇麗な箱をしまったと同時にその咆哮は聞こえた。そして、教室は静まった。
「なんで、俺はチョコが貰えないんだよ!!」
なんか、全力で残念な事を言っている。どうでもいい。
「おい、安住!!お前は貰ってないよな?」
なんか、俺に話しかけているらしいがどうでも良かった。
「…貰ってねえよ」
「本当だな?カバンの中見ても何も無いな?」
「ああ、なんか奇麗な箱だけだ」
「なっ………。それ、チョコだろ?」
え?そうなのか?マジか!!やったね俺。
「お、おう。そうなのかもな……フヘヘ」
「くそ、アンドウ。お前は、お前だけは俺と同類だと思っていたのに」
え?なにそれひどい。アンドウ君かわいそうby.アズミ
「アアアアアアアアアアアアア!!もう、どうでも良い!!全部ぶちこわしてやるよ!!」
と、宣言すると同時に俺に机が飛んで来た。
俺ははっと目を覚ました。
なんだよ、夢かよ……とつぶやきながら。
まあ、良いや。学校行こう。
と、学校まで歩を進めると、フラフラと運転している車が突っ込んで来た。俺はそれに既視感を覚えながらも学校につく。
ざわつく教室に入るとまた既視感に襲われた。
そして、自分の机の中を探ると。
奇麗なラッピングの箱があったのだった。