Act4-SapphireWing
戦いを書くのが楽しくて大変な今日この頃、氷訝です。
前回の後書きで戦いが無いとか言ってましたが普通にあります。
"Act4-SapphireWing"state……
「『シュナイザースラスト』!『ソニックレイド』!『スターナイトドライブ』!!」
魔力で作られた騎士に3連続でアビリティを叩き込む。
騎士のレベルは20、この訓練場ではここまでしかレベルを上げられないらしい。まぁ、序盤の街だから仕方ないか。経験値は普通のレベル20のモンスターよりは少なくなっているがゴブリンなんかよりは圧倒的に多い。1レベと20レベじゃいくら減っても比べるまでもないか。
3本の斬撃波が一体を斬り倒し、4連の斬撃でもう一体のHP0にする。
飛び上がって放つ蒼の巨大な斬撃波は騎士を4体纏めて消し飛ばした。
『風流し』も使いながら的確に一体一体斬っていく。
一体の魔力騎士が能力上昇系のアビリティを使う。面倒だな。だが、これでやっと残り一つのアビリティが使える。
「『エフェクトスラッシング』!」
能力上昇系アビリティをかけたやつに対して剣を振るう。
するとそいつは蒼い光に包まれ、それを俺が一閃すると、そいつにかかっている能力上昇系アビリティは効果を失った。
この『エフェクトスラッシング』は攻撃した相手にかかっている能力上昇系アビリティを解除するアビリティだ。
ダメージはないが、消費MPが少ないので使っても他のスキルをまだまだ使えるのが利点だ。
時折、挟み撃ちでダメージをくらっているからか俺のHPは残り半分。ここではHPが0になっても死ぬことはないが、訓練が強制終了してしまう。
『ブレイクロード』を横薙ぎに使い、騎士のガードを打ち崩し、がら空きになった騎士の頭の上から剣を降り下ろす。
続いて別の騎士の攻撃をしゃがんで回避、そのままの勢いで回転斬りを繰り出し、騎士を両断する。
そんな事を繰り返している内にあっという間に30分が経過した。
Now loading……
「兄ちゃん、これがあんたの防具だ」
そう言って鍛冶屋のおっさんが出したのは薄い蒼の軽装。頭は兜ではなく、鎧殻で出来た頭に巻くサークリットで、中心部に正六角軽が埋め込まれている。服とズボンはは重そうな鎧ではなく、風翼片と軽鱗で作られたとても軽い服。腰に巻く垂れは硬い鎧殻と薄い風翼片で出来ている。
なんかめっちゃ格好いい。
「代金は?」
「え~と、850Cだ」
850か、そんなに高くはないな。UMを倒したときに15000Cもらっている俺にとっては少ない出費だ。
「ほい、これでいいか?………。」
「……よし、丁度あるな。それよりなにをそんなにそわそわしている?」
「えっと……なぁ、おっさん!早速着ていいか!?」
「そういうことか……おう!是非とも着てみてくれ!」
俺は更衣室で初期装備を外し、新しい装備を着てみる。
この装備の名前は
《蒼翼のサークリット》
《蒼翼の風輝服》
《蒼翼の籠手》
《蒼翼の竜鎖垂》
《蒼翼のズボン》
《蒼翼の風纏靴》
のようだ。
全部装備し終わると体が軽くなり、さらにピコーンと言う音がした。
体が軽くなった理由はステータスを見たらわかった。
Name:龍騎
Job:【ウォリアー】Rank-8
Level:25
Weapon:片手剣 《スターダストウィング》
Armor:《蒼翼のサークリット》
《蒼翼の風輝服》
《蒼翼のリング》
《蒼翼の竜鎖垂》
《蒼翼のズボン》
《蒼翼の風纏靴》
POW:70
SPE:55(25)
MAG:5
DEF:33
あのSPEの()は元のSPEの数値、んじゃあ55は何かというと装備補正を足した数値だ。この蒼翼装備はSPEを上げる特殊効果があるようだ。
んでピコーンって音は新しくアビリティを覚えた音だ。新しくアビリティの名前は──
『蒼翼の神舞術』
説明を読むと、蒼翼装備をセットで装備したときに覚えられるアビリティで体全体に風を纏い、空中を舞うように移動できるらしい。
「『蒼翼の神舞術』!」
とりあえず発動してみる。
発動と共に足元から風が巻き上がりながら全身を包んだ。
すると体が宙に浮いた。空中を浮きながら舞う。空中で身を翻してみたり、滑るように移動する事ができる。
少しづつMPは消費しているがこの程度の消費なら大して問題は無さそうだ。
この防具も不思議なくらいに軽く、触り心地もさらさらとしていてとても気持ちがいい。
「なぁ、おっさん、もっかい訓練場借りていいか?」
「ああ、その防具の性能を存分に試してみるといい」
再び訓練場にて──
「『蒼翼の神舞術』!」
一旦解除した『蒼翼の神舞術』をもう一度かけ直す。また体がふわりと宙に浮く。
そして現れる魔力騎士。
その剣を滑らかな動きで回避すると通り抜けざまに騎士の体を横に一閃した。
蒼翼装備をつける前とは比べ物にならない程の速度で剣が騎士の体を斬る。
流石に一発では倒せないので騎士が振り向くより速く、滑るように後ろに回り込む。
そのまま頭上から縦に斬る。ここで怯んだ騎士に止めを刺そうとしたが、『気配察知・改』で後ろから別の騎士が来ているのがわかった。
一旦諦めてサイドステップで左に跳んで避ける。左に跳びながら右に向かって『スターナイトドライブ』を発動し、2体の騎士をまとめて倒した。
『蒼翼の神舞術』を使ってなければ今のうごきは出来なかった。『蒼翼の神舞術』の効果で大きく機動力が上がったからこそできる芸当だ。
次はどうしようか──と考えていると頭の中にピピピピッという音がなった。メッセージの届いた音だな。
『蒼翼の神舞術』で端まで駆けていき、集まってくる騎士を『スターナイトドライブ』で一掃する。
安全になったのを確認すると、メニューのパネルを開いた。
右上には『メッセージ1件-fromジーク』の文字。タッチしてメッセージを確認すると、
『宿とれたぞー、居住区の"ギルド連盟"の向かいにある赤い建物だ』
と、書いてあった。
「おっさん、終了してくれ!」
大声でそう言うと現れたばかりの魔力騎士達が雲散霧消した。
「どうした?やけに早いじゃないか」
「仲間から連絡があったもんで、宿とれたみたいだからな、今から合流するんだ」
鍛冶屋のおっさんは、そうか、とだけ言うと出口まで案内してくれた。
さて、この装備でジークに会ったらどんな反応するかな?──そんなことを考えながら夕焼けの街中で風を楽しみながら宿に向かった。
To be continue……
いつもに増してグダグダだった気がする……
次回こそ戦い無し──のはずです。
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