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Act3-Ability

今回は少し説明の多い回です。


相変わらず超展開になってしまうorz


"Act3-Ability"state……

俺は今、約5体のウッドナイトというLevel4のモンスター達を相手にアビリティを試していた。

とりあえずアビリティの説明を読んでから軽く使ってみる。


「『ブレイクロード』!」


一番近くにいたウッドナイトに『ブレイクロード』を打ち込んでみた。

『ブレイクロード』は『ハイブレイク』のランクアップしたものだ。本来は10レベで『ハイインパクト』にランクアップし、20レベになることで『ハイインパクト』が『ブレイクロード』にランクアップする。

俺の場合は『ハイインパクト』を飛び越えて『ブレイクロード』まで習得した。

この『ブレイクロード』、使い方などは『ハイブレイク』と変わらないが威力が格段に高い。

発動時に刀身が微かに光り、ウッドナイトを一撃で葬り去る。

ウッドナイトは木で出来た鎧騎士だ。鎧や兜を着けているといっても所詮は木製、一撃で砕け散った。


「『風流し』!」


続けて『風流し』を使ってみた。

これは防御系アビリティのようなのでウッドナイトの攻撃に合わせて発動する。

発動と同時に風が剣を包む。ウッドナイトの降り下ろした剣は俺の剣に当たる前に風と共に流れるように受け流された。

このアビリティは風を使うことで受け流しをしやすくするようだ。



「う、うわああぁぁぁぁぁぁぁ!!、」



次のアビリティも試そう……と思っていた所に悲鳴が響き渡る。

すぐにヤバい事になっているのはわかった。

横に一閃して残りのウッドナイトを薙ぎ払うと

俺は全速力で悲鳴が聞こえた方へ向かっていった。






Now loading……






走っている途中に『強者の気色』と『気配察知・改』の効果を実感することができた。

『強者の気色』は相手を威圧するアビリティだ。

途中、襲ってくる雑魚をこれで威嚇し、その隙に無視して駆け抜けてきた。

『気配察知・改』の方は常時使用のアビリティ。

視覚外の敵も察知することができ、攻撃の軌道などもある程度読み取ることのできる便利なアビリティだ。


こんな事を考えている内に目的の場所が見えてきた。

そこには俺の探していた赤髪の男と3体のウッドナイト、そして1匹の巨人がいた。

どうやらあの巨人がこのエリアのエリアマスターのようだ。

エリアマスターはその名の通り、エリアのボスだ。

誰かがエリアマスターを倒さなければ次のエリアには進めない。エリアマスターは一旦倒すとしばらくいなくなるが、しばらくするとエリアにある"神殿"と呼ばれる場所で復活する。"神殿"では一定期間毎にエリアマスターが復活する。

彼は真っ先にここに来たんだろう、ウッドナイトにすら苦戦していた。彼の残りHPは3割程度しか無い。


グオオオオォォォォ!!と巨人が吠え、ハンマーで赤髪の男を叩き潰そうとする。

男は両手斧で防ごうとするが恐らく防ぎきれないだろう。


「『シュナイザースラスト』!」


間に合わないと判断した俺は遠距離攻撃アビリティ、『シュナイザースラスト』を発動した。

斜めに降り下ろした剣から3発の斬撃波が放たれ、巨人の腕を切り裂き、攻撃を止める。

そのまま一気に駆けていき、ウッドナイト2体を一発で両断する。


「すまねぇ、助かった!」

「話は後だ、一旦離れてろ!」


少し格好つけて赤髪の男に言ってみる。

一回言ってみたかったんだよな~この台詞。実際一人でも勝てそうなので問題ないんだが。


「お前一人で戦う気か!?無理だ、そいつらはかなり強……危ねぇ!」


赤髪の男が叫ぶが俺は既に"気配察知・改"の効果で何があるかはわかっている。

後ろでは巨人がハンマーを俺に向かって降り下ろしているようだ。


「『ブレイクロード』!」


それを俺は右手に持った薄い水色の剣、《スターダストウィング》で振り向きざまに『ブレイクロード』を発動し、巨人のハンマーを打ち返した。


"ギカントオーガ"Level7《Boss》


という文字が見える。

レベル7か、弱っ

ギカントオーガは弾き返された衝撃で思いっきり後ろに倒れた。

本来なら弾き返したときの衝撃で俺にもダメージが来るはずだが今、俺にダメージは無かった。

その理由が『スタンスメンタル』の効果だ。これは単純に物理ダメージを軽減する常時使用型のアビリティ。

単純だがかなり役に立つ。


「は……?」


赤髪の男が驚愕に目を見開いている。

まぁ、当然だろうな。ボスの攻撃を一発で弾き返したんだもんな。

そんな中、無謀にも俺に斬りかかってきたウッドナイトにもう一つのアビリティを試してみる。


「『ソニックレイド』」


俺が唱え、剣を振った刹那、4等分されるウッドナイト。

これは高速で相手を斬りつける技のようだ。

これを転んでいるギカントオーガの足に2度斬り込む。

ギカントオーガのHPがそこそこ減っていく。


「んじゃ、最後に──」


そういって飛び上がり、剣を構える。


「『スターナイト、ドライブ!!」


剣が夜空の様な深い蒼のの光を放ち始める。その光は暗いが明るい、まさに天の川の様な光だった。その光を纏った《スターダストウィング》を降り下ろすと、光は巨大な蒼い斬撃波となり、ギカントオーガを直撃した。


これは《スターダストウィング》の装備アビリティ。装備スキルとは、レアな装備のみにつけられているアビリティで、装備している間だけ使用可能な特殊アビリティだ。


ギカントオーガのHPが一気に0まで減少する。

ギカントオーガの残りHPは4割程度だったが、それを一気に削れるとは……かなりの威力だ。しかし、その代償としてMPを全体の2割程使ってしまった。

あまり連発は出来ないな、必殺技程度に使うのがいいか。

ともかく見かけ倒しの技じゃなくてよかった……こういったゲームだと時々名前とエフェクトは滅茶苦茶かっこいいのに威力は残念──なんてことがあるから心配してたんだが、かなり強くて安心した。


「ふぅ、こんなもんかな」


《スターダストウィング》を軽く振るって腰の鞘に納める。


「…………………すげぇ」


後ろを見ると赤髪の男が呆然としていた。

その頭の上には"Level Up!"の文字。


「ん?」

「──すげぇよお前!お前滅茶苦茶強いな!本当にありがとう、助かったぜ!」

「お、おう」


いきなりの大声での感謝に思わず少したじろいでしまう。


「そうだ!フレンド登録してくれねぇか?」


フレンド登録とは登録した相手と遠くでも話せるようになったり、様々な事を協力してできたりする便利な機能だ。あまり信用できない人とはしないほうがいいがこいつは信用できそうだ。


「あぁ、いいぞ」

「っしゃあ!それじゃこれが俺のフレンドカードだ」


ジークがフレンドカードを差し出してくる。カードと言っても紙ではない。パネルのようなものでメニューパネルに当てると吸い込まれるように消えていった。


「んじゃ、ほい、これが俺のだ」


お互いにフレンドカードを交換し、渡されたカードの情報を確認する。

フレンドカードには相手のステータスが表示されている。




Name:ジーク

Job:【ウォリアー】Rank-2

Level:6

Weapon:両手斧アックス

Armor:《布の服》

    《布のズボン》

    《サンダル》

POW:25

SPE:8

MAG:4

DEF:13


レベル6か。

この時点だとかなり早いな。


「…………………………」


左を見ると俺のフレンドカードを見ながら瞬きすらせず固まっていた。


「お~い、ジーク~、どうしたー」


目の前で手を振っても反応がない。

そんの時ジークが一言喋った。


「……………れ、」

「れ……?」


「レベル25ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」


これが俺の親友、ジークとの出会いだった。






Now loading……






「ここが【ミリニウム王都】かぁ~」


俺たちがいるのは【ミリニウム王都】。旅の中心となる場所だ。建物は全てレンガ製。ゲームでよくある大きな街だな。

ここは5つの地方に繋がる分岐点でもあり、多くのプレイヤーが拠点とする街だ。

しばらく調べたところ、ここには【ミリニウム城】【ミリニウム居住区】【ミリニウム商業区】

【ミリニウム分岐点】という4つのエリアに分かれている。

【ミリニウム城】は選ばれた人のみが入ることができ、中で特殊なクエストを受けられるらしい。

【ミリニウム居住区】は宿や飲食店、そして"ギルド連盟"の本部がある。ここで説明しておくとこのゲーム、しっかりとお腹が空く。食べなくても弱くなったりはしないがそれでもお腹が空いては戦は出来ぬ。"ギルド連盟"とは大規模なパーティーである、ギルドを作ることができる場所だ。その他にもクエストを受けたり、掲示板で情報を確認したりと、色々お世話になる場所だ。

俺たちが今いるところが【ミリニウム商業区】。【メルティス密林】から入った場所で、街の中央部である。噴水のある広場の周りに鍛冶屋に雑貨屋などが建ち並ぶ場所だ。

【ミリニウム分岐点】は【メルティス密林】方面を除く別の4つの地方に繋がるこの街の出口だ。


街にプレイヤーはまだ俺たち以外いなかったが、NPCがあちこちを歩き回り、店を開いていた。


「ジーク、お前先に宿の部屋二つ取っておいてくれないか?」


俺はマップを見ながらジークに頼んでみる。

一つ行きたいところがあるからだ。

別にジークと一緒でも問題は無いが驚かせてやりたいし。


「別に構わないが……どっか行くのか?」

「あぁ、ちょっとな。んじゃ宿がとれたら場所はフレンドカードで教えてくれ」

「おう!」


ここで一旦ジークと別れると俺はある建物へ向かった。






Now loading……






「らっしゃーい!」


中から威勢のいい男の人の声と鉄のぶつかり合う音が聞こえる。

俺の来た場所は──"鍛冶屋"だ。


「あの~、これで全身分の防具って作れるか?」


そういって俺が出したアイテムは


翼竜の風翼片×10

翼竜の鎧殻×12

翼竜の軽鱗×24

翼竜の秘石×2

翼竜の鋭爪×8

竜の魔角×1


つまり、"アーティファクトワイバーン"の素材全部だ。


「………………兄ちゃん、どこでこれを!?」


その素材をみた途端、鍛冶屋のおっさんが目を見開いて聞いてきた。


「ちょっといろいろあってね。それより全身分作れそうか?」

「任せとけ!これだけあれば十分だ!」


もしかしたらこれだけじゃ全身分作れないんじゃないかって少し心配してたから安心した。


「それじゃあ……どれくらいしたら出来そうだ?」

「30分後くらいには出来るだろ。ここで待っていてもいいし、その辺をぶらぶらしてきても構わないぞ」


30分か……思ってたより随分早いな。大体半日程度かかるかと思ってた。


「30分ならここで待つよ」

「そうか!暇だったら隣の部屋で軽い運動でもしてたらどうだ?」


運動……か。現実世界では嫌いだったけど、こっちの世界じゃそうは言ってらんないよな


「あぁ、それじゃそうさせてもらう」






To be continue……


次回はちゃんとした戦いは無いと思います。


感想、誤字脱字等ありましたらお願いします。


Next、"Act4-SapphireWing"

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