自宅にて
自宅
帰ってからまず、俺は着ていたブレザーを脱ぎ、ワイシャツや靴下を洗濯機に入れてまずは洗濯機を回した。そして部屋着に着替えてから換気のために窓を開き、一日の疲れを癒すホットミルクを入れる。
帰り際に買ってきたレトルトカレーをレンジで温めて硝さんに餌付けすることもぬかりなく。
「坊主はちゃんとしたカレーを食ったのにわしは、レトルトか」
「しょうがねぇだろ、今からカレーなんて作ってる余裕なんて俺にはねぇんだよ。レトルトでも買ってやっただけありがたいと思え」
「居候はつらいねぇったく」
そう言いながらもカレーをがっつく猫の図は結構シュールな図だ。
「そういえば、毛玉なんて吐かないよな硝さん」
「そんなもん、ちゃんと風呂に入ってれば毛玉なんてはかねぇさ」
「言っとくが俺は、猫用シャンプーなんて買うつもりないからな」
「別に人間用のシャンプーでもかまわないだろ・・・たぶん」
人間用のシャンプーってなんだ人間用って、それは普通のシャンプーって言うんだよ。
「たぶんってなんだよ」
「わしは元々この体に憑依してるだけだから猫の生態なんざしらねぇよ」
「なんだそれ、憑依してるなんて初耳だぞ」
「そうか?菜伊美君から聞いてなかったか」
「聞いてるわけねぇだろ、今日はあんたと一緒にいる時しか白帆先生とあってないんだからよ」
そんな話をしていると、硝さんはすでにカレーを食べ終わっていた。すると、俺の前においてあるテーブルに飛び乗った。
「簡単に説明するとだな。わしは、爆発エネルギー思念隊って個体なんだ。それ自体は実態をもたねぇんだが、それが生物に憑依すると俺になるって訳だ。ちなみに、爆発エネルギー思念隊ってのは火薬とかに封じ込められてるわけだ、今回は菜伊美君が火薬を放置してそこから流れ出た思念隊が猫に憑依してわしが生まれたって訳よ」
簡単といいながらもその説明はそこそこ理解し難く、話も長い。
「なんかよくわんねぇけど、テーブルから降りろよ」
「人の話を聞いてるのか坊主!」
すると勢いよく猫のパンチか蹴りかよくわからないが前足でのタックルが飛んできた。だが、猫の重量なんざたかが知れているし、威力は皆無だ。
「つまりは猫又なんだろ」
「違う!」
「この際面倒だしそれでいいじゃねぇか、疲れたから俺は寝るぜ」
正直面倒すぎる。そもそも爆発エネルギー思念体ってなんだよ。俺は布団を敷いて寝る準備を進める。
「人の話を聞かんと痛い目にあうぞ坊主!」
聞くべき話と、聞かないでおくべき話の区別はついてる自信はあるから任せておけ。
「わかったわかった。明日は家でカレーを作ろう」
「お?ほんとか?ほれ、さっさと寝ないと明日遅刻するぜ。ちゃんと風呂入って寝ろよ。歯も磨いて寝るんだぞ」
なんだこの変わり身は。
「気持ち悪いからやめてくれ」
「ワシはもう寝るからまた明日学校でな~」
そう言って、硝さんは換気のために開けておいた窓から外に出て言った。
「あ、おい!どこ行くんだよ!」
制止の言葉も聞かずに硝さんは夜の町へと消え去って行った。
居候っていいながら結局ここに寝泊まりするわけじゃないんだな。