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その6

今回はそうでもないですが、ちょっと私ちゃんの心の中のセリフにネタが多すぎるかな? と不安に。

自分のことを美少女美少女と連呼するのもいかがなものか。


でも書いてて楽しい子です。

 私の謎の体調不良は、過労、疲れということで処理された。村長さんの奥さんに超心配顔で謝られてしまった。


「ごめんね。無理させちゃってたかしら……。辛い時は遠慮なんてしないで言ってくれていいのよ? まだ子供なんだから、私たちに、もっと甘えて?」



 いったーーーーーーーい! 心が痛い!! 痛すぎる!!! ごめんなさいごめんなさい! 謝るのは私の方なんですぅ! 追撃の奥さんの優しいお言葉でダメージはさらに加速した。

 毎日の仕事なんて、ほかの奥様方に可愛がられながら軽いお仕事しかしてないんです……むしろ可愛がられるのが仕事になってるんです……

 確かに最近、精神的に疲れさせられてはいるんだけど、あ! 精神性の過労ってことでいいか! 駄目だよ……この素敵優しいお方に甘えちゃ駄目だよ……


「ごめんなさい……」


 ああ、泣きそうだ。言葉では謝っても何を謝っているかまでは通じない、言えない。


「もう……。泣かないの、謝らないの。もう一回言うけどね、まだあなたは子供なのよ? 背伸びして彼に追いつこうとしなくてもいいの」


 はい? なぜそこで彼? そもそも背伸びしたところで身長差30cm……いやもっとか?


「彼なら大丈夫よ、ちゃんとあなたのこと大切にしてくれてるから、あなたが大人になるまで待っててくれるからね?」


 え、ちょ、彼と私同い年なんですが。って、え? 大切に? 大人になるまで?


「もうお仕事に戻っちゃったけど、家を出るまでずっとね、あいつの事をお願いします! 頼みます! って真剣な顔でお願いされちゃったわ」


 うへぁー……マジかマジですか。やっぱり私にメロメロですかそうですか。それはそれは……



 

 私どれだけ悪女よ。




 その後、私が泣き疲れて眠るまで奥さんは傍にいてくれたようだ。奥さんも自分の仕事があっただろうに、それでもずっといてくれたみたい。

 体は全然平気だ、でも心が重い、精神的にきてる。優しい村長さん、奥さん、村の人たちに、そして彼に、どれだけ迷惑をかけてしまったんだろう。

 彼にも恋愛感情なんてものはないはずだ、今はまだ必死に生きていくしかない段階だ。そんな余裕があるわけもない。他の女性に目移りとかいう以前の問題だ。

 結局私は自分の事しか考えてなかったんだ。それは、うん、理解してた、理解してたつもりだった。

 自分の生活、安全、心の安寧ために、彼と結婚しようとしてたんだしね。元々そのつもりで行動してたんだ。


 でも、でもさ、みんな優しいよ。心が痛いよ。



 私は子供なんだ、一人じゃ悪事も働けない子供なんだ。あ、精神的にね?

 

 だから大人になろう。


 周りを騙して生きていっても平気なように、大人になろう。




 私は重大な決意をしていた。





 そう、してたのよ? 本気でね?


















 話は急に、まったく関係ないようであるような、変な話に、つまり、話は変わるんだけど。

 


 夜になるとホント静かなのよ、同じ家の中なら話し声も聞こえちゃうのよ。しっかり聞き耳立てないとはっきり、とまではいかないんだけどね? 村長さんと奥さんがアレな事をしてる声とか小さく聞こえ、っとそれはどうでもいいか。

 

 とにかくしっかり聞き耳立てればちゃんと聞こえるのよ、今みたいにね!




 私が決意を固めた、固めようとしていたところ。


「あーん、もう! あの子可愛すぎでしょう? ねぇ? 私たちに頂戴な? 大事に育てるから! 今育ててるも同じなんだけどね!」


 奥さんがちょっと大きな声出してる、珍しい事もあるもんだ。相手は村長さんか? 彼か? 猫でも拾ったのだろうか。いいな猫、私も欲しいな。


「結婚して出て行くまででもいいから。私たちはそう簡単に子供作っちゃいけない立場だしね? 欲しいのよ、あんな可愛い子!」


 本当に珍しく興奮してるな奥さん。ちょっと可愛いぞ。うん? 結婚?


「お母さんって呼ばれたいわ……あ! お母様もいいわね、かーさまーって呼ばれたいわ! 甘えられたいわ!」


 奥さんどうした、何がどうした?


「うん、いいな。私もお父様と呼ばれたいぞ」


 村長さんもか。なにそのダンディなしゃべり。



 これって私の事だよな。みんな私の魅力にメロメロなのか、子供として。そう、子供として!


「い、いいんじゃないかな? あいつもまだ母親に甘えたい年頃でしょうし」


 おい馬鹿やめろ。アンタも同い年だよ! 十六だよ! もう私そんな甘えたい盛りの可愛い子供じゃないよ! 可愛いけど!

 

「そうなると、あの子と結婚する貴方も私たちの息子になるってことよね」


「け、結婚ですか!?」


「そうよ、そうそう。そうね、貴方には母さんって呼ばれたいわ」


「え? ええ!?」


 おー、テンパってるテンパってるよ彼。私もだけどね。聞き耳に集中して考えが追いつかない。


「私は父さんだね。いや、可愛い娘を嫁に出すんだ。これからはお義父さんと呼びなさい」


 村長さーん? 何言ってるんですかー? あれ? もう養女になることは決定済み? 幼女の養女ってやかましいわ! 誰が幼女か! 美幼女か!


「駄目よあなた? そこはお前のような奴に娘をやれるか!! って怒り出すところよ?」


「そ、そうか? うむ、娘が欲しければ私を倒してからにしろ! とか言ったほうがいいのかな?」




 それにしてもこの夫婦、ノリノリである。



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