その4
異世界でほのぼの恋愛話になっていってる、何故だ……
前回の奥様と村長の奥さんは別人です。分かり難くてすみません。
これからも全登場人物に名前は付きません。
問題なく読めるように頑張ります。
「んー」
今日も暗くなるまでお勉強お勉強。しかし昼間の奥様との会話を思い出し、ついつい彼を見つめてしまう。
うーん、もやもやする。これが恋か、いやそれは無いわ。
「何だ? トイレか?」
目線に気づいた彼が失礼な事を聞いてくる。
「死ねばいいのに」
本当に死んでもらっては困るんだけれど。
「ひでぇなオイ。いつも言いにくそうにしてるからこっちから聞いてやったってのに」
「あー、うん、今はまだ平気。もう少し後でお願いね」
「はいはい、了解ー」
トイレに行くのに彼の許可が必要な訳じゃないよ? 私にそんな趣味は無い。彼にも無い、と思いたい信じたい。
トイレは外にあるのよ、夜は暗いのよ、怖いのよ。なのでついて来てもらってる。露出の気は無いので近くで待ってもらってるんだけど、これがまた恥ずかしい、恥ずかしすぎる。音聞かれてるのよ?
そりゃ最初は一人で行ったよ、明るかったしね。でも夜はダメ、無理無理暗すぎ。ランタンの明るさじゃ一人は耐えられなかった。AちゃんBちゃんがいた頃はよかったな……なぜ死んだし。
初めて彼にお願いしたときは泣いたよ、恥ずかしくて、情けなくて、暗やみが怖くて、ボロボロ泣いたよ。
村長さんの奥さんについて来てもらえばいいんだけどね、あんまり迷惑かけたくないのよ。私たちは二人でも大丈夫だぞーって見せたいのよ。
そこまで考えて気づいた。
無口系美少女を目指す私が明るく話しかけるのは彼だけ、夜は暗くなるまで一緒(お勉強)、トイレも一緒に行ってる。あ、寝室は別よ?
二人でも大丈夫だぞーって見せるとさ、結婚して二人で暮らしていくのも大丈夫だぞって言ってるようなものなんじゃないだろうか。
これはみんな勘違いするわ……
深く考えずに行動してきた事が、うまいこと絡まって例の勘違いに繋がってくれている。日ごろの行いってやつだね、恥ずかしい目にあってる分の元は取れたか、いや取れてないよ、恥ずかしい思いは毎日してるしね……
「何だ今度はニヤニヤしはじめて、気持ち悪いな」
失敬な! 失敬な奴だな君は!
私みたいな美少女がにこやかにしてるなら、そこはちょっと見つめちゃってさ、目が合っちゃってさ、頬を染める所だろう! なんだそれ乙女か! 心の中でセルフツッコミも忘れない。
「今抱えてるちょっとした問題がね、少しだけ解決に向けて進展したような気がするのよ」
「気がするだけか?」
「うん、気がするだけ。完全に解決させるにはまだまだね」
「よく分からんが、大変そうなら相談しろよ?」
相談できれば一発で解決するのよ。それができないから苦労してるんだって。私だけを見て! とでも言えというのかアンタは。言って解決するなら言うよ。
「うん、ありがと。そのうちよろしくね」
「おう、もっと頼りにしてくれ」
うわイケメン笑顔……
ん? そういえばこいつって私にメロメロなんだっけ? でも気持ち悪いなとか言われたよ? 意中の子にそんな事言うか? 何度も言うけど私美少女だよ?
うーむ、気になってきてしまった。ちょっと探りを入れてみるか。
「ねえ」
「あん?」
「村長の奥さん綺麗な人よね」
ここでお前の方が綺麗だぜとでも言わせれば勝ちか。言うわけないよ!
「ん? あー? そうだな?」
いきなり何を言ってるんだという顔をされてしまった。当たり前か。
「いきなり何言ってるんだ?」
実際言われてしまった。
「えっ、えーっとね? 私もあんな綺麗な大人になりたいなーってね」
うん、これは実際なりたい、せめてもう少し身長が欲しい、胸も欲しいっと話がそれた。
「なれるんじゃね? というか今でも十分可愛いだろお前、贅沢な奴だな」
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「はへっ!?」
何語だ。