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その26

「何だよ今の大声は……。まさか、またやばい時に帰ってきちゃったのか俺は……」


 !?


「ここっ、このばかーーーーーーーーー!! スケベーーーーーーーーーーー!!」


「いきなりひでえ!?」


「ああ……、今日のこの子は一段と可愛いわ……」


「奥さんは相変わらずブレないっすね」











「ごめんね? またバラしちゃった。ごめんね?」


「バラしちゃったって、何をです? おい、にらむなよ。俺何かしたっけ?」


「ふふふふ、うふふふふふ……。この子から直接聞いてみて?」


 な!? ふ、ふん! もういい! 開き直ってやるわ! オープンスケベになってやるわ! それは嫌よ!


「お、お母さんがね、あああああなたがね、わわっ、私のことをね、ねね……、すっ、すすす」


「オイちょっと待て、まさか……、奥さん!?」


 口を押さえられて止められた。おお、焦ってる! 私もだけどね! 手が! 手がー!!


「ふふふふ、ごめんね? うふふふ」


「え、うわ、マジなのか……」


 諦めたように手を放した。今だ!


「本当なの!? 私のこと好きなの!?」


「やめろ! やめて! 大声で言うなよ!」


「こーたーえーなーさーいーーー!!!」


 肩を掴んで振りたいところだが、掴むにはちょっと高い。胸の辺りで妥協しよう。


「こら! 引っ張るな! 服が伸びるだろ!」




「答えて……」


 大人しくしよう、彼の口から、ちゃんと、聞きたい……。でも、怖いから、手は離さなくていいよね?




「なんでこんなタイミングなんだよもう……。勘弁してくれよ……」


「答えて? お願い、お願い、します」


 こ、怖い! うわ、手、凄い震えてる。


「う、上目遣いは卑怯だ! 上目遣いでお願いしますとか……」


「襲っちゃ駄目よ?」


「襲いませんよ!」


「今は?」


「今じゃなくても襲いませんよ!?」


「あら残念ね? 私の聞き違いだったのかしら……」


 え……、今じゃなくても襲って、くれないんだ……。



 そっか、お母さんの勘違いか……、なんだ……


「ちょ、うわ! 泣くな! 泣くなよ! 好きだ! 好きだよ!! 何でこんな告白になるんだよーー!!」




 ん? 今、好き、って、言った? 言ったよね!?







 ふふ。うふふふ。ぐふふふふ。


「コイツ笑ってやがる! にやついてやがる! くそ! 嘘泣きかよ!」


 んーん。


「泣いてたわよ本気で。ちょっと絶望しかけたわよ。うん、嬉しいな……。ありがとう」


「くっそ、可愛いなこいつ……。ああ、好きだよ、ずっと好きだった。この世界に来る前から好きだったさ」


 また可愛いって言ってくれた、嬉しい。でも真っ赤なあなたも可愛いと思うわよ?


「あ、そうなんだ」


「ああもう! 何だよ! 何か軽くないか? 反応がさ。俺本気で言ってるんだぜ?」


「あ、そう見える? ごめんね? ちょっと嬉しすぎちゃってさ、頭がフリーズしかけてるみたい」


「うーん、大丈夫なのかそれ……。ん? 嬉しいって事は、OKって事でいいんだよな?」


「うん?」


「そこも言わせる気かよ!」


「うん。ホントに分からないから、言って? 全部聞きたい、あなたの口から聞きたいの」


「なんですか今日のこいつ。可愛すぎるんですけど!?」


「この子はいつも可愛いわよ? でも今日は確かにそうね。世界を取れる可愛さだわ」


 こら、お母さんの方を見ないの。今はまだ、私だけを見て欲しいな。





 掴んだ手を、ちょっと下に引っ張って意思表示する。


「おっと、悪い。あー、その、アレだよ。付き合って……欲しい……んだが……」


 付き合う? 恋人同士になるって事だよね? ふふ、ふふふ。恋人同士かー


「うーん、どうしようかなー?」


「あ、あれ!? 何でそんな反応?」


「だってさー、何かさー、ちょっと真剣さが足りないかなーってさー。もう一押しよ? 落ちるわよ? もう落ちてるんだけど」


「自分で言うな自分で! くそう、惚れた者の弱みってやつか……」


「そうそう、頑張りなさい。もう一息よ!」


 お母さんも大興奮。こういう事好きそうだよね。


「しかも母親の前での告白だよ……。奥さんはいいんですよね? 村長さんは今はいないですけど、反対はしませんよね?」


「もちろん! 応援するわ!」


「よしっ! んじゃ、言うぞ」


「うん」











「ふう……」


 彼は、一息ついて、真剣に言ってくれた。


「俺と、結婚して、ください……」


 あ、プロポーズだ! 結婚まで一気に飛んじゃうんだ。嬉しい!!


 うん、いいよ、結婚しよう? してください。幸せにしてくださいね?





























「えー」


「ひでえ! ひでえよこいつ! 両思いって分かってなかったら泣くぞ!!」


「ああ、この子たち可愛すぎるわ。ふふふ」




次回感動の最終回!


感動?

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