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その19

ゆっくり、ゆっくりと、でも確実に進んでいってます。


ジェットコースターの登ってる時間のような感じでしょうか?

乗った事無いんですがね……

 さあ今日もお勉強の時間だ。本日の主な議題はオムレツの具材について。うん、雑談だね、分かってるよ。



「あなたも本当に理由は聞いてないの? 村長さんに言われて黙ってるんじゃない?」


 そしてこちらの話題。やっぱり気になるものは気になるのだ。


「信用無いな俺。聞いてないって。ニヤニヤしてたから何か企んでるっぽいんだが……」


「企む……。気になるわねー」


「だなぁ……、でも、まったく想像もできん」


 まったく、少しは考えなさいよね。この脳筋タイプめ。




 ふむ、丁度いい。この件について話し合ってみますか。オムレツの具材はまた今度ね。どうせまだ作れないし! ふん!


「私の考えだとね、村長さんのお仕事って男の人しかしちゃ駄目だと思うのよ」


「そうか? 奥さんだって手伝いはしてるだろ?」


 あ、そうか、そうだった。いきなり躓いたな……


「うーん? 奥さんは、奥さんなんだからいいんじゃないの?」


「それならお前は娘だろう。問題無いと思うけどな」


「あ」


 むむむ。昼間考え付いた結論はやはり間違っていたか……。しかし、脳筋タイプのくせに生意気な……


「そ、そうなるとね」


 そうなると、最後に浮かんだアレか?


「ああ」


「仕事に関係なく、男の人同士でしかできない何かがあるんじゃないかなとね……」


「何だよそれ、変な事考えてるなよ」


 変な事って何よ! アッー的なこと? ふむ……、無いわ。怪しい想像を即座に消す。


「変な事とか言わないでよ。私はただね」


「ただ?」


 ただ……。しまった、話が何か嫌な流れになってきちゃったぞ。


「い、色々、お、教えてもらえるんじゃない? 男の人に必要なさ」


「男に必要なものねぇ……。何があるかな」


「の、覗きポイントとか?」


 …………………………はっ! つい口が滑って言ってしまった……


「それは……、うん、まあ……。楽しみだな」


 目を逸らし、頬を指で掻きながら言う。


「ちょっ! 冗談よ! 冗談に決まってるでしょ! このスケベ!!」


 やっぱりコイツも男よ! 野獣よ! 胸か? 胸が無いから私は覗かれないのか!? 覗かれたいみたいに言うんじゃないよ私!!


「スケベとか言うな! お前がつい言っちゃった感漂わせてるから、冗談にして乗ってやったのに!」


 またこんなところで珍しく気を利かせちゃって……。ホントに珍しいから分かんないのよ!


「ふ、ふーん。どうだかねー」


「くそう。気なんて利かせずからかっておけばよかった……」






「しかし、覗きポイントか……、実際あったりするのかな」


「スケベ」


 まったく男って奴はもう……。ロマンですか浪漫ってやつですか。


「スケベ言うなって。お前が言い出したんだろう……。そういうお前はムッツリスケベってやつなんじゃないのか?」


「馬鹿な事言わないでよこのスケベー、へんたーい、覗き魔ー」


「むう、可愛く無い奴め……」


 かかかか可愛く無いですって! この美少女を捕まえて何を! そんな事生まれて初めて言われたわ!! あれか、残念な美少女だとでも言うのか! ……? うわ、しっくりくるわ我ながら……

 見た目可愛くても、私口数少ないしちょっと暗めに見えたりするのよね、きっと。いいの、いいのよ、私は無口系美少女なの。この見た目で元気にしてたらまんま子供、って違う。



 彼には結構本音で話してるし、ちょっと口悪く感じてるのかもね。反省しなきゃ……


 しかしムッツリスケベか。それって外面は普通でも、内面ではアレコレいやらしいこと考えてる人のことよね。あれ? 私そうじゃない!? 大ショックだ、私ムッツリだよきっと。



「うわ……、また、やっちまった……」


「うん? 何を?」


 やっちまった? 何だろ怪しいな。覗きを想像してアレが大き……、こほん。ムッツリだ私ー!!


「いや、そのー、うん。俺って口悪いよな……、余計な一言が多いって言うのかな。いつも後で反省はしてるんだがな……」


「え?」


 何コイツ、私と同じこと考えてるわ……


「ふっ、ふふっ」


「あ、笑うなよオイ」


 あー、おかしいわ。ホントにおかしいわ。


「ふふっ、あははっ。ごめんね、まさか同じような事考えてる、ふふっ、なんてね。あはは」


「同じような事って、お前もか?」


「そうよ、そう、ふふふ。あー、おかしいったらないわ。ちょっと悩んだのが馬鹿みたいじゃないの」


 ホント馬鹿みたいだ。よし、反省なんて必要ないわね。これからも本音で話し合いましょうか!


「お前口悪いか? そうは思えないんだがなー……」


「そう思わないならそれでいいの。私もあなたの口が悪いなんて思ってないわ。ふふ」


 たまには思うこともあるかもだけど、それは多分、うん、きっとお互い様でしょう?


「そっか。それなら、まあ、この話はここまでにするか。だからいい加減笑いやめって」


「うん、うん。ごめんね? ふふふ」


 なんだかよく分からないけど楽しいわ。自然と笑いが出ちゃう。






「う、うーん……」


 おや? 笑いすぎたかな。いけないいけない。


「はー。すぐ落ち着くから、待って」


「いや、いいよ。無理に止めなくていい」


「大丈夫よ、そんなに長くは笑っていられないって、ふふふ」


「うん、やっぱりな」


 なによ、にやにやしちゃって。


「ん?」



「お前は笑顔の方が可愛いよ。だからいつも笑ってろ、笑っててくれな?」


 ふっ、なーにを当たり前な。今さらなこ……

















「は、はひっ!?」


 だから何語よ。


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