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18/30

その18

文字数が増えてきている……


そろそろネタが少なくなってきます。まじめな話にな……る……?


 久しぶりに四人そろっての昼食、珍しいね。



「ただいまくらい言いなさいよね……」


 とんだところを見られてしまったものだ。二人なのをいい事に、甘えまくってるように見えたんじゃないだろうか……


「いや、ちゃんと言ったんだけどな。ねえ村長さん」


 気づかなかった。むう、奥さんとの対決に集中しすぎていたか。今度から周りにもちゃんと気を配ろう。


「ああ、ちゃんと言ったよ。しかし、妻だけじゃなく私にも、もっと甘えて欲しいな」


「ううう……」


 甘えてたんじゃないのよ、攻撃してたのよ、弱点狙い撃ちしてたのよ! こうかは ばつぐんだ! だったのよ! 恐らく弱点である、娘、と可愛い子、のニ属性で四倍のダメージに……


「男親はしょうがないですよ。甘えにくいんじゃないかな?」


 そういえば彼って村長さんと仲がいいな。やはり同性の方が話しやすいんだろう。


「はいはい、あんまりいじめないであげて下さいね、二人とも。さ、ご飯にしましょ」


 奥さんはにこにこ。またこの人の一人勝ち状態になってしまった感じだ。ダメージどころか回復されたような気もしてきた。


「はは、そんなつもりは無かったんだけどね。それじゃ、食べようか」


 料理がしょっぱいぜ……。嘘ですおいしいです。






「あ、そうだ。村長さん」


 丁度いい、明日のお仕事見学について聞いてみよう。


「ん? 何かな」


「明日、よかったら村長さんのお仕事について行ってもいいですか?」


 この、のほほん村長さんの仕事振りはどうしても気になる。


「ああ、彼からも聞いたよ。その事なんだがね」


「俺はいいけどお前は駄目だってさ」


「え?」


 なぬ? 駄目? その発想は無かった。じゃない、彼はいいんだ。でもなんで私は駄目なんだろう……


 あ、邪魔だよね普通に。


「やっぱりお邪魔ですよね。分かりました、急に我侭言ってごめんなさい」


 ここは素直に退いておく。彼は行ってもいいのなら、勉強時間にでも聞けばいいしね。


「あ! いや! 違うんだよ。邪魔っていう事は無いんだ。でも、ちょっと考えがあってね」


 少しニヤつきながら言う。



 考え? 何だろう、村長さんがよからぬ事を企むとは思えないが……。待てよ、家ではのほほんとしていても、あの奥さんの旦那さんだ、やはりそれなり以上の使い手だったりするんだろうか。……何のだよ。


「そうそう。理由は教えてくれないけどさ、お前がいたら邪魔とか、そういう訳じゃないから、泣くなよ」


 誰が泣くか! 彼も聞いて無いのか。うーん、気になるなー


「泣かないわよこれくらいで……、人を泣き虫みたいに言わないで」




 しつこく聞いたところで教えてくれそうに無いかなこれは。気になる気になる木……


 私は駄目でも彼はいいんだよね、仕事の邪魔っていうのは無いみたいだし。他に私と彼の違いは……、年齢(見た目)と性別くらいか? 頭は私の方がいいとはっきり断言できる、なのでそれは無いだろう。何かひどい事を考えてる気もするが、気のせいだろうね。年齢と性別の点で絞って考えてみるか……


 彼は十六歳男性、村長さんも男性、三十歳だったよね確か。そして私は十六歳美少女。そういえば私は何歳に見られてるんだろう? 二、三歳下に、かな。十三、十四くらいか。

 年齢もあまり関係ないように思える。やっぱり性別か、男の仕事ってやつかね。男の仕事に女は手を出すな、口を挟むな。といったところか。カッコいいね。


 うん、何とか納得できる考えに落ち着いた。


 しかし何か、あれだね……、い、いやらしい考えになりそうだね……。男同士で覗き見にでも行こうぜ、的な? 覗き見で友情を深めようぜ? 的な? この村綺麗な人多いしね……

 男同士は共に困難を乗り越え、友情を深めていくものよね。覗きが困難かどうかは別として。覗き、覗きかー……。


 そういえば私って、着替えの時も、体を拭く時も、寝る時も、部屋にカギ掛けて無いのよね。

 まさか、すでに誰かに覗かれたりしてるんだろうか? か、彼とかに……。ふっ……、それは無いわ。誰が好き好んでこんな貧相な体を……



 べ、別に、覗かれないのが、く、悔しい訳じゃないんだからねっ! かかか、勘違いしないでよねっ!! ってツンデレか!!! ツンデレも意外に楽しいな、今度彼にやって見せてみよう。




 おっと、ついつい長々と考え込んでしまったよ。もう心の中でのセルフツッコミも自然になっちゃってるよ……。

 

 さて、ご飯ご飯。ご飯の続きっと………?


「い、いやいや、違うんだよ! 本当に邪魔とかそういうのじゃなくってね! 理由は言えないんだ、内緒なんだよ! あああ……、娘に嫌われてしまう……」


「おい! 泣くな! 泣くなよ! 別に仲間はずれだとか邪魔だとか、本当に思ってないって!」


「へ?」


 え? どういう状況? なに焦ってるんだろ二人とも。




「うああ、どうしたものか……。軽い思いつきで考えたんだが、まさかこんな結果になるとは……」


 村長さん絶望中。私が長考してる間に何があったんだろう……


「二人とも……? 何この子いじめてるの? 仲間はずれなんて、そんな子供みたいな真似して!」


 おや? 奥さん怒ってるよ。ちょっと怖いわ……


 こんな恐ろしい敵を作りたくないので私は黙ってますね。

 二人とも早く謝るべき死にたくないなら謝るべき。

 はやくあやまっテ!!


「ちょっ、違いますよ! 違いますって! 村長さんもこうなったらちゃんと説明してくださいよ!」


「ああ、私は駄目な父親なんだ……。こんなに可愛い娘を泣かせるなんて……」


「村長さん戻ってきて! 説明して! 俺一人で奥さんの相手とか無理だから!」


「貴方もね、好きな子をいじめたくなる気持ちは分からなくも無いけどね。もう少しやり方があるでしょう? それで本当に嫌われたらどうするの?」


「ああ! 狙いが俺一人に! だ、誰か助けて!!」


 何このカオス。よく分からないが助けようじゃないか。



「ね、ねえねえ。何があったの? ちょっと状況を説明して」


「あら?」


「おや?」


「え、あ! 泣いて無いじゃん、こいつ」


 だから泣かないっての。何なのよさっきから……


「これくらいで泣かないって言ったでしょ。それより何がどうしてどうなってるのよ」


「なんだよ……、焦らせるなよな……」


「うん? 私が泣いてたと勘違いでもしてたの?」


 なるほど。自分で思ってる以上に長く考えすぎていたようだ。食事中、しかもあのタイミングで黙り込んだら、そう思われても仕方ないか。二人には悪い事したね。


「ちょっと考え事してただけよ。深く考え込んじゃってたみたい。でも、泣いてるのと考え込んでるとの違いなんて、見て分かるでしょうに」


 まさか、泣きそうな顔で考え事してたのか? そこまで断られたのがショックだったのかな……


「いや、な? ずっと下向いて、料理ざくざく刺してたんだよ、お前」


 彼が私の前に置かれたお皿を指差す。


「え……、あ」


 なんということでしょう。私のご飯がぐちゃぐちゃにいいいい……


「無意識かよ。残さず食えよ、それ」


「ふふ。勘違いでよかったわ。でも、ちゃんと食べなさいね?」


「ああ、本当によかった。ここまで焦ったのは久しぶりだったよ……。それはちゃんと自分で食べるんだぞ」


「え、え? ええー……」


 うう、折角の奥さんのおいしいお料理が……











 あ、普通においしいわコレ。ま、いいか。


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