表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/30

その17

今回から新しい話に……、新しい?


ほのぼのゆるゆるだらだらニヤニヤ読んでください。

 お仕事という名の可愛がられも終わり、一旦家に帰って来た。彼と村長さんはどうやらまだらしい。



 私の一日のスケジュールは大体、朝食後少ししてから午前のお仕事へ。お昼になったら一度家に帰り昼食、そしてまた午後のお仕事だ。夕方には終わって家に帰る。

 昼食はみんな別。用意されてるのを一人で食べるのが普通なんだが、私はいつも奥さんと一緒に食べている。時間的にちょうどいいのか、待って合わせてくれてるのか、考えるまでも無いだろう。夕食は家族そろって食べる。

 夕食後は彼とのお勉強タイム。眠くなってきたら寝る、健康的だね。無理に起きてて次の日に疲れを残す事は決してしない。

 彼はその後二人と話をしに行く事が多いみたいだが、夫婦生活の邪魔だけはするんじゃないぞ。怪しい空気を感じたらすぐに離れるように言ってある。


 ああ、奥さんもちゃんと家事以外の仕事してるよ。村長さんの補佐的なものかな。常に家にいて私を待っているわけじゃない、よね?

 


 この村での仕事っていうのは、各家々で分けられている。あそこの畑はアンタの家が管理してね、みたいな? もちろん全部投げっぱなしじゃなく、主に、という事だ。ちょいこっち手伝っておくれ、と一声かければ、余裕のある家の人がホイホイやってくる事だろう。むしろ忙しそうなら勝手に手伝いに行く勢いだ。


 私は室内仕事がメインのお宅のお手伝いに、彼は農作業など、力仕事がメインのお宅へと行っている。手伝いに行く場所は毎日決まっているわけじゃない。外に出て少し歩けば、今日はここにおいで、こっちを手伝ってくれ、と誘われるのだ。誘われない時も無い事は無い、ほぼ無いが、そのときはこちらから誰かに聞けば問題はない。どこどこの手が足りない、など、あっさり答えが出る。


 ちなみに私はいつも取り合いだ。美少女でごめんね? ……さすがに今のは無いわ。猛省。



 何かうまくできてるよね、村一つで大きな家族みたい。考えてそれが一番しっくり来る。家族だね、みんな。






「ただいまー」


「おかえりなさい。ちょっと早かったわね、すぐ食べる? それとも彼、待つ?」


 ふむ、どうしようかな。確かにまだそこまでお腹は空いてない。しかし、おかえりって言われるの、何かいいよね。


「もう少し後でお願いします。まだあんまりお腹減って無くて」


「うん、分かったわ。それじゃ飲み物だけ用意しましょうか」


 今朝の事はもう特に気にしてもないようだ。逃げちゃって悪い事したな、とは思ってるんだけど。


 よし、もやもやするのは嫌だ、謝ろう。


「あ、あの」


「うん? 何か言った?」


「あの、今朝の事、……ごめんなさい……」


 ううう、口に出したら急に罪悪感が出てきちゃたよ。小心者め。


「今朝? 何かあったかしら?」


 うう、いじわる、私の口から説明させる気か。S、いや、微Sな人め。


「う、あの、逃げちゃって……、その……」


「逃げちゃって? 何を言ってるか分からないのだけど……」


 あれ? やっぱりSなのか! ドSなのか!! 私Mじゃないよ!? まさかまだ誤解したままなのか?


「あなたたちはあの人に会いに行っただけでしょ? 何を謝る事があるの?」


 な! 何この人! ドSか、とか思っちゃってごめんなさい! 奥さん優しすぐる天使か。


「あ……」


「分からない話はこれで終わりにして、はい、どうぞ。シーリの実の果汁入りよ」


 そう言って飲み物を差し出してくる。許された! わちき許された!




 ここは……、うん、しっかりと返すところだね!


「あ、ありがとう……、お母さん……」


 でも恥ずかしいから小声でね!



 奥さんはにっこりと笑っ……!? しまった! 罠だ! あの笑顔は違う!!


「え? ちょっと聞こえなかったから、もう一度言ってもらえるかしら?」


 ああ……、許されないんやな……


「ううう、ありがとう、お母さん……」


 少しだけ声量を上げて言う。ああん、許して!


「え? 何? 聞こえないわ」


 きゃー! この人はーー!


「あ、ありがとう。お母様」


 もう少しはっきりと声に出す。これで許してくれるだろう。




 そんな風に考えていた時期が私にもありました。


「うーん、聞こえないなー」


 !?


 ななななんという……。やはりこの人はSなのか……ドSなのか……



 そのとき私に電流走る!





「かーさま、ありがとー」


 会心の笑顔。恥ずかしいなんて言ってはいられない!


「!!!!????」


 きゅうしょに あたった!



 勝ったッ! 第3部完!












「何やってんだよ楽しそうだな……」


「ははは。……おっとすまない、続けてかまわないよ」


「はっ!?」


 ギギギっと振り返ると背後には呆れ顔の彼といい笑顔の村長さんが…………



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ