18/32
18.キャサリンの決意
次の日、ヴィンセントの訃報はエンジェルの口から他の三人に伝えられた。キャサリンは目が腫れるほど泣き続け、テオドールとエリオットは黙って唇を噛みしめた。
「私ね、決めたの」
ようやく泣き止んだキャサリンが口を開く。
「ヴィンセントさんみたいにずっと後悔しないように、素直に想いを伝えられる薬を作りたいなって」
「……作れるの?」
エンジェルが気遣わしげに尋ねる。その声はいつもと違って、とても優しい。
「今は分からないけど、必ず作って見せる。そうすれば、月影の記憶に頼らなくても多くの人を救えると思うんだ」
キャサリンの決意には力がこもっていた。誰からともなく拍手が起こる。
「サファイア先生のおっしゃてた“魂”って、こういうことだったのね」
エンジェルが感慨深そうに呟く。キャサリンは照れ臭そうに鼻を擦った。




