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ヒロイン志願ですけど、男同士の恋愛(ボーイズラブ)を応援しますわ!  作者: 石月 主計
第1話:想いは口にしないと伝わらないですわ!

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15.向かい合わせの夜

その夜の見張りは、先にキャサリンとエンジェルが務めることになった。遠慮するのも構わず、二人はテオドールとエリオットをテントの中に押し込む。


「それじゃ、朝までごゆっくり」


そう言って、エンジェルはテントのフラップを、隙間が無いようにピタッと下ろす。真っ暗な中でテオドールとエリオットの体が密着していた。


二人はもう一度唇を重ねる。初めは遠慮がちに、次第に貪るように唇や舌を食んできた。


「エリオット、好きだ」


テオドールが抱いた腕に力をこめる。


「オレも好きだよ、テオドール」


エリオットも精一杯の力で抱きしめ返した。


「……ちゃんと、温かいな」


テオドールがエリオットの頬にそっと触れる。エリオットがその手を包み込んだ。二人の唇がもう一度重なる。


「……テオドールは、どうしたい?」


「エリオットがしたいように。私はそれが一番嬉しいから」


夜風がそっと吹き込んで、テントのフラップがわずかに揺れる。静寂の中、満月だけが優しく見守っていた。



テントの外で、キャサリンは焚き火を見つめながら頬を染めていた。


「……エリオットとテオドール、ちゃんと気持ちを伝え合えたんだね」


「ええ、やっとね。時間かかりすぎよ」


エンジェルは肩を竦めるが、その声はどこか嬉しそうだった。


「でも……何か、ちょっと羨ましいな」


「ん?」


「本気で誰かに想ってもらえるって、いいなあって」


エンジェルは一瞬だけキャサリンを見て、そっと笑った。


「アンタだって、いつか巡り合うわよ。ちゃんと“中身”を見てくれる誰かにね」


「えー、中身だけ? 見た目も褒めてくれなきゃ困るな~」


「はいはい、欲張りお嬢さん」


焚き火がパチリと弾ける。夜はまだ深く、けれども、どこか温かだった。

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