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秋定与太話

神の使いか悪魔の手先か~「秋定与太話」

作者: 秋定弦司

 皆様、はじめまして。秋定(あきさだ) 弦司(げんじ)と申します。

 今回の話のきっかけは、「関東限定と聞いていたコーヒーをいつか飲む」ということでした。

 これ以上書くと「作者自らネタばらしをする」というバカ丸出しなことをやりかねないので自粛しますが、ここからどんどん構想(という名の妄想)が膨らんで、「やらかした」んです。


 「愛と優しさの体現者たる(自称)」私は決して悪くありません!

 しかし、そこは人間の(さが)。つい各方面からの「悪魔のささやき」に負けて、このような「与太話」を書いてしまったんです。


 読んでいただいた皆様、最初に謝罪いたします!

 本当にお許しください!

 私は一切悪くないんです!(自己保身もええ加減にせえ!)


 …さて、くそしょーもない前置きはさておき、(「本編の中身もしょーもないんじゃゴルァ!」なんて言わないでください。作者のガラスのメンタルが木っ端みじんに砕けますので)


 …さて皆様…

 地獄へようこそ!


  飾磨県(誰が「兵庫県」という屈辱極まりない名称を使うか!)明石郡某所より

 大沢勝男は独身独居の身である。

 そのため、最近の物価高に頭を抱えつつも、自身で料理などと口に出すのも憚られるような食事エサを作らなければならない。

 彼は「関東」のモノを激しく嫌悪していた。ただし、あの漆黒ともいえる出汁のソバを除いては…。

 納豆には手を出さず、黒色と橙色の組み合わせには怒り狂い、ましてや「玉子焼(「明石焼」はまだ大目に見る)」を「タコ焼き」などと呼ぼうものなら、いつも手放さず持ち歩いているカラシニコフ小銃の銃口を向け、「遺書は書いた?それともこの場でその言葉を訂正するかどちら?」と満面の笑みで「優しく教育」する程度に。

 その下手をすれば近隣府県に対してすら喧嘩を売りかねない姿勢から、人は彼のことをこう呼ぶ。

「明石のバーサーカー」

 そのような彼でも、漆黒の出汁のソバともう一つ「関東モノ」で恋い焦がれるモノがあった。(なおソバは約30年前の東京「侵攻」時に食べたらしい)

 その名は「MAXコーヒー」。

 彼は持ち得る情報網を駆使し(主に尋問と拷問。それを「情報網を駆使」というかどうかは気にしてはいけない)、それが北関東で多数目撃されているとの情報を得た。

 次は如何にして北関東の地に「潜入」するかを考えなければならなかった。

 情報を総合すると当然ながら「日本旅客鉄道」に乗ること、そして北関東、なかんずく「群馬県」に足を踏み入れること自体は容易いことであると判明した。

 しかし、「日本旅客鉄道」そしてその会社の誇る「新幹線」に乗れたとしても、尼崎駅で待ち構えているであろう鉄道警備隊をどう騙すのか、彼の計画はそこに集中していた。

 カラシニコフ持参は現実的に不可能。

 ならば「スチェッキン・マシンピストル」を隠し持ち、身元がバレれば、その9mmマカロフ弾をばら撒くことも考えながら、時刻表を片手に「脱兵(兵庫脱出)」計画を練っていた。

 なんでこの人こんなに物騒なんでしょうか。単に西明石から乗ればいい話なのに。

 しかしながら、彼のこの綿密かつ狂気に満ちた計画は木端微塵に粉砕されることになる。

 前述のとおり、彼は自分自身で食事を作らなければならない。

 そのための食材を買いに近所のスーパーに足を運んだ。

 そして、陳列棚にズラリと並ぶ「MAXコーヒー」、しかも500㎖のペットボトルを彼は目の当たりにした。

 その神々しさに彼は心を奪われた。そう、それはスパムの缶詰がスーパーにズラリと陳列される未来など予測できなかった少年時代のように。

 しかし、彼は冷静に考え直した。「この事実上兵庫県限定、しかも某世界の盗塁王にかつて『ここより向こうの人帰られへん』と言わしめた土地に本社を構えるスーパー」に、なぜこれだけの「関東モノ」が、と疑った。

 誰かが俺の頭の中を探ったのか?いやさすがにそれはないだろう。となると、ご近所の誰かがどこぞのシュタージ(旧東ドイツの秘密警察)の残党に通報して、手に取った瞬間「関東モノに手を付けた」として身柄を拘束されるのか。それを世間では「陰謀論」といいます。

 そんな与太話は無視して、本題に戻ろう。でないと延々この与太話だけで「終わらない物語」になりかねない。勘弁してくれ。

 本当に本題に戻る。その神々しさは「神の降臨」を連想させ、「このスーパーは神の使いなのか」と思わずにはいられなかった。

 しかし、先ほどの陰謀論が頭をよぎり(まだ言ってるのか)、「この1本に手を出そうものなら、直ちにシュタージの職員が飛んでくるのか?」ならばこれは「悪魔の手先」であり、手に取ったが最後、「地下室」行きじゃないのか。とも思った。

 そしてその「神々しき御姿」、「もしくは悪魔の跳梁跋扈」の様子を写真に収めるべく、手許のスマートフォンを取り出した。

 しかしながら、その神々しさ、もしくは禍々しさから写真に収めるなどという行為は控えるべきとの自制心から、とりあえずその1本を取り、レジへと足を運んだ。

 その姿は誰がどう見ても「不審者」だろう。

 そして、その1本を貴重品を扱うが如く、大事に持ち帰った。よく職務質問に遭わなかったものだ。

 帰宅し、その神々しくも禍々しい姿を渾身の力で写真に収めた後、ペットボトルの栓を開け、生まれて初めてその一口を喉に通した。

 その瞬間「悪魔の手先」などと疑った自分自身を激しく恥じることとなった。

 このコーヒーと練乳の絶妙な組み合わせ、コーヒーのほろ苦い味の後に舌を麻痺させるが如くまとわり つく練乳の甘さ。そして口の中いっぱいに広がるこの二者が絶妙な組み合わさった香り。

「こ、これはやはり神の使い」直ちにそう確信した。

 そしてその生まれて初めて出会った味と香りに、取り乱した心を一旦落ち着けるべく吸ったタバコにさえもまとわりつく練乳の香り。

「これは確かに某熱帯地域連合構成事業者ご用達になるわ」と納得すると同時に、「関東の奴ら、こんなうまいモノを飲んでるのか!」との怒りもふつふつと湧いてきた。

 その怒りの感情の中で「商売人」としての考えもふつふつと湧いていた。「今は密貿易ルートを構築し、こちらからは「ミックスジュース」を輸出し、このMAXコーヒーを少々ぼったくり価格にすれば心身を必要以上に削ることのない副業になるのでは」と考え、早速密貿易ルートを構築の準備に取り掛かった。

 世間ではそれを「妄想」と呼ぶのだがそこはそっとしておいてあげよう。


 |…ただ、完成することは永遠にないだろう。いや、されてたまるか。

 

 この度は私のつまらない与太話にお付き合い下さり、誠にありがとうございました。

 お察しかとは思いますが、この話は私自身の経験なんです。(ただし、カラシニコフ小銃やらスチェッキン・マシンピストルなんて持ってませんが…)

 この話、「狂気炸裂」とは書いておりますが、実際の話「これだけはやっちゃいけない」という部分は当然ながら削除しております。具体的には、かつて読んだ本や映画等のセリフを一部改変して挿入しておりましたが、すべて削除いたしました。

 「このセリフが出た、もしくは行動をとった背景」とあまりにも乖離しており、「失礼にも程がある」と自分で考えた結果です。

 例えその結果、面白くなるであろうかもしれない部分であったとしても、その一線だけは守り通したつもりです。

 その結果としての「看板に偽りあり」とのご指摘であれば、いくらでもお受けいたします。

 そこまで深く考える必要はなかったのかも知れません。しかしながら、そこは「元役者の(さが)」と見逃していただければ幸いです。

 「最後まで前書きからのキャラ通せや!」と別のお叱りを受けそうですが、それは次回以降、ご縁があればご覧いただけるかと思います。


 あらためて、今回はありがとうございました。


  秋定 弦司


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