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7 好転

 3人は仲良く今後の冒険者の活動についての話をしてる。 その正面に座る俺は今後の展望がない。何とかエミリーのそばに居れないものだろうか、まあいても彼女を守る術もないのだが、とりあえず3人の話を聞いていた。


 現在、村での冒険者は仕事があまりない状況らしい。近々遠征をして、遠くの洞窟探索をするかどうかを議論している。 この村からも結構な冒険者たちがその洞窟に入っているらしいが、成果はイマイチだとかで、アルマとレナルドの意見が対立している。 そんな時に、以前ギルドで会ったロルフが声を掛けてきた。

 

「お、にーちゃんレナルドのグループに仲間入りしたのかい?」 

「いや、仲間には・・・入れなかったです」と力なく答える。


 するとアルマが 「彼は、医者のカールに紹介するつもりよ。 治癒魔法が使えるし」 


 え、? 俺は今初めて聞いたのだが・・・ でも一応俺のこと考えてくれてたんだな。 とアルマの方を見る。 「安心して、ちゃんと考えてるから」 アルマはニコっと笑って、そう言ってくれた。


「カールに紹介しても無駄じゃないのかな? 何でも孫に治癒魔法の素質がありそうだと話してるのを聞いたし」

レナルドがそう言うと、アルマがレナルドに

「そんなの聞いてみないと分からないじゃない!」

 と食ってかかっていった。 どうもさっきから、レナルドとアルマの仲が険悪になりつつある。エミリーが少しおろおろしてるような・・・


「にーちゃん、クルトに行ってみたらどうだい?」

 

「クルト・・・ 確か大きな町だとか」

 

「そこなら医者になれると思うぞ、、それと、その街にはミネバと言うこの辺りじゃ最高齢のばあさんがいるんだが、そのばあさんの家に奇妙な部屋があってな、部屋の中に円状の記号というか文字というか、びっしり書いてあって、その文字が怪しげに光ってる・・・なんていうか 異様 な部屋があるんだが、ばあさん曰くかなり重要な場所だとか」

 

「へ~、で、その奇妙な場所と俺に何の関係が?」

 と聞いたところでレナルドが話に割り込んできた。 

「聞いたことありますよ。そのばあさんの話。何でもその場所が分かる人間には分かるとか。 でもばあさんも高齢でボケてるって噂ですけど」


 「そうそう、ボケてるとも言われてるな~。 でも俺が子供のころからそんなこと言ってるみたいだし、にーちゃんは何かこのあたりの人と違う感じがするから、行ったら何か分かるんじゃないか?」


「ん~、どうだろう、それだけの情報だと何とも・・・」


「確か、その部屋の場所が、、せぶ・・と・・・だったかな?」


「セブ島? 島? なわけないか・・・」


「島って何よ?、何か分かったの?」

 とエミリーが聞いてくる。


 【小説家になるための最強アプリ】の設定を思い出していた。確かこの辺は山に囲まれ隔離された辺境だった。ひょっとしたら海とか島は知らないかもしれないな。 


 「何ていうか、単語的にはセブ島とか分かるんだけど・・・ その部屋チョット興味があるかな~。 そのクルトって町はどこにあるの?」

 

「クルトはね~ここから・・・」

 エミリーが喋ってたところで、アルマがエミリーの話をさえぎってイチローに話しかけてきた。

「イチロー 提案があるんだけど」


「提案?」 

 

 エミリーはムッとしてアルマの方を見てたが、アルマは意に介さず

「クルトまでの護衛を私たちに依頼しない?」


「護衛!? 危険なところなの?」

 

「クルトまでの道中よ。 クルトはここから北へ 深い森を過ぎ山を越えたところにあるの、2日くらいかかるわね。 もちろん安全に森と山を避けて行くルートもあるけど、そっちは10日くらいかかるかな」

 

「じゃあ頼むわ!」

 俺は即答した。 願ったり叶ったりだ。 「早!」とロルフもびっくりした感じでこっちを見てる。

 

 アルマは俺に依頼料として金貨3枚を提示した。 エミリーが「それはちょっと高いわよアルマ」と言うと、ロルフも「うちなら金貨1枚でやるぜ! どうだにーちゃん?」と聞いてくる。


「いや、金貨3枚でアルマたちにお願いします。 ここまで親切にしてくれたし、けして高くないと思います」 


「よし! 決まりだな! 」 

 レナルドが言って手を差し伸べてきた。 俺はレナルドの手を握り握手した。 

「よろしくお願いしますレナルド」


「・・・いやそうじゃなくて、、うちは前金制だから」



***



 宿で一人、何とか今後の展望が見えてきた。 だが、問題がある。 自分が弱いことに変わりがないのだ、このままだと守られる側で結局行き詰る。


 そもそも何で、魔法がこんなに使えないのだろうか? 攻撃に使えないってことはないはずなんだが、、 

 そういえば電撃系の魔法は試してないな。 と少し弱めの、、指先から机の縁に攻撃するイメージで、チョコッと電気が出る感じで・・・ どうだ!!


 バチィィ と静電気くらいの稲光が指先から目掛けた机の端に出た。

 

 「痛っ!」  やはり自分にも跳ね返ってくる。


 「だめか~」 とベットに寝そべり、魔法について考える。

 火を出した瞬間 風魔法で飛ばすとか・・・ 水を空気中から作った瞬間にコールドで凍らせて、風魔法で飛ばすとか、、何にしてもこの宿では試せないし、、


 あれこれ考えていたが、知らぬ間に寝てしまっていた。

のんびり書いていこうと思います。 感想などよろしくお願いいたします。

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