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4草原の君

 俺は再び草原に立っていた! 


 来た~、ホントに来た~! 本当は半信半疑だったのだが、これで確信できた。あの【小説家になるための最強アプリ】のせいだ。


 さて、どうするんだっけ? あっそうそうエミリーの方へ行かないと、エミリーが横になっていた場所へ向かった。 が、いない。


 あれ? いない あっちだっけ?と向きを変えて歩いていく、が、いない。 辺りをうろうろしてエミリーを探すが、どこにもいなかった。


 あれ? どういうことだ? 来る時間がずれてるのか?予想外の事態に焦る。可能性的にはこんなことも起こりそうなものだが、全く想定してなかった・・・ちょっと楽観視しすぎてたか。

 

 村に向かうか? エミリーがいないのに村に向かうのはリスキーな気がした。 どうするかをしばし考えたが、どう動くにしても、ホントに俺は魔法が使えるのか?これはどうしても確認しておかねばならない。


 杖を横に置き、適当な場所に座り込んだ・・・ え~っと、魔法ってどうやって発動させるんだ? さっぱりわからなかった。

 「ファイヤー」とか「サンダー」とか、思いつくまま魔法の単語を言ってみたが、何も起こらない。

 魔法の発動条件とかの設定もあったのか? もっと時間をかけて調べてから来ればよかったと反省した。 が、反省だけならサルでもできる。 

 一度死ななきゃダメか・・・ いや痛いのは嫌だ・・・ 痛くなければ・・・


 ・・・・・


 なんでこんなところで楽に死ねる方法を考えなきゃいけないんだ・・・ ほんとに自分はダメなやつなんだな・・・ 自己嫌悪に陥る。


 そんな時、誰かがこっちに来てることに気づいた。

 冒険者のような恰好をした女性!がこっちに歩いてきている。

 

 エミリーか!? と目を凝らす、、なんか違う、エミリーと同じような恰好をしてるが、髪の長さとと色が違う。 エミリーは茶髪のショートヘアだったが、こちらに向かって来る女性は金髪で髪はやや長いミディアムくらい。


 顔も認識できるくらい近づいてきたとき、女性が声を掛けてきた。

「ねえ、イチローって君のこと?」


 その女性はかなりの美人だった。なんというか顔のパーツとか完ぺきと言えるくらい整っている。ず~っと眺めていられるくらいの美人。 

 ちょっとの間その女性に見とれていたが、あれ?この人 俺の名前知ってる。 何でだ? と、我に返る。


 その女性もかなり俺に近づいたところまできて、俺の顔をじっと見ていた。


「え~っと。。何で俺の名を?」


 その女性はチョット得意げな顔で、

「やだ! 私のこと忘れた~」


 え・え? あれ? 違う世界に来ちまったのか? とパニックになってたら、その女性が「ぷっ」と噴き出して、

「ごめんごめん、エミリーの言ってる通りの人だったから、チョットねww」

 と笑い出す。


「なんだ~エミリーの知り合いですか~」

 と笑顔で答えた。 が、内心はパニックのままだ。まずエミリーが俺のことを知ってる。ってことは死に戻っていない? ・・・じゃあ今は、エミリーと別れてどれくらいの時間がたってるのだろうか?  おそらくこの子は”アルマ”だろう。何とかうまくその辺を聞き出せないだろうか・・・


 取りあえず何か聞きださねば! 

「彼女、、いや、エミリーは俺のことなんて言ってました?」 


 「ん~、そうね~、変な服を着てる って言ってた。 あと、記憶喪失なことも言ってたな~、そうそう記憶の方はどうなの?」


「記憶の方はまだですね~、変な服って・・・」

 今の自分の服をみる。 魔法使いっぽい服だが・・・

「これって変な服なんですか?」


 女性はまたクスクス笑って「とっても変よ!」と言った。 

 

 へ・変!  確かにエミリーと会ったときはジーパンにシャツだったから、変に思われても仕方ないが、このローブ姿も変なのか・・・この世界での魔法使いはこの格好ではないのかな? この世界は分からないことが多すぎる。


 クスクス笑ってた女性もチョット困った顔をして、

「傷つけちゃったかな?ホントごめ~ん。 あ、自己紹介が遅れたわね。 私の名前はアルマ。 エミリーと同じパーティの冒険者よ。」

 握手を求めてなのか 手を差し出してきた。

 

「あ、これはどうも、イチローといいます。 よろしくアルマさん」

 差し出された手を握り、握手した。


「アルマさんじゃなくて、アルマでいいわよw」

 

「よろしくアルマ」

 ・・・こりゃまた久々に異性の手を握ったな~と喜んでいた。 多分、顔もニヤニヤしてたんだと思う。 


「そろそろ手を放そうか」

 アルマの顔が少しだけ怖い顔に、、、

 彼女はもう握る力を弱めて、放す意思表示してたのにチョット欲を出して長く握りすぎたかな。

 慌てて手を離した。


「で、冒険者ギルドにも依頼は出さなかったようだし、どうしてたのかな? エミリーも心配してたわよ。」

 

「依頼は・・・、お金がなくて・・・いや、少しは持ってるんですけど、、」

 確か設定で数枚の金貨・銀貨を持ってるはずだが・・・ 右のポッケに何枚かあるのを手触りで確認した。


「確かに、記憶喪失で稼ぐ手段がなければ、躊躇するわね」

 と納得してくれた。さらに

「それにしてもエミリーもお金を持ってるか?確認くらいしてあげればいいのに。 でもあの子らしいわ~  エミリーはね~、今朝になってイチローのこと探してたのよ」


「え!?探してくれてたんですか?」


「そう、今朝になって気になったんだって、 記憶喪失のイチローがどうやって夜を過ごしたのか。 ギルドに依頼は出てないし、宿にも泊まってないからと私のところに来たの。 エミリーは用事があるから、、まあ話を聞いて私が探すことになったわけよ。 まずは草原かな~と来たらビンゴだったねw」


 なるほど、今はエミリーと別れて約半日ってところなんだな。それにしても見ず知らずの俺のためにこんなに心配してくれるなんて本当いい人たちだと思う。 でも何でこんなに親切なのか?


「でもどうして、こんな見ず知らずの俺をしんぱいしてくれるんです?」


「そうね~、エミリーは出会った時から他人とは思わなかったみたいよ。イチローはエミリーを見てどう思ったの?」


 そういえば、エミリーは親近感がどうたら言ってたな~と思いながらも


「かわいい!って思いましたよ」


「ちょっと~ww」


 アルマはしばらく笑ったあと「イチローは、自分の顔のことカワイイと思う?」


 どういう意味だろう? 

「思ったことないけど・・・」



「それは変でしょ~、あなたエミリーと兄弟と言ってもいいくらい顔がそっくりじゃないw」


のんびり書いていこうと思います。 感想などよろしくお願いいたします。

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