恨み晴らしの灰色月(旧)
初投稿です。
性転換、残酷な描写などがキーワードの通りあります。
苦手な人は読まないことをおすすめします。
とある中学校、いわゆるいじめられっ子である少年がいた。
彼は、生まれ付き不幸だった。
生まれてすぐに親に捨てられ、今の育て親に拾われるまでの間にも、
酷い目に遭いながらの生きていた。
拾われてからも、今の親が本当の親では無い事や、
近くに居れば不幸に巻き込まれることなどから、
いじめを受けていた。
今の家に籠もっていても、結果は同じだった。
外から罵声を浴びせられ、家のひとが居ないときは、無理矢理押し入られて殴られたりすることもあった。
こっちからやり返そうとしても、返り討ちにされるだけだった。
正直、相手のいじめっ子達が憎かった。
また、力の無い自分や、見て見ぬふりをする大人たちも憎かった。
中学校になってからは、いじめはさらにひどいものとなった。
ただ暴行を加えるだけでは飽き足らず、凶器を持ってくるような者もいた。
つまり、殺されかけるような日もあったということだ。
しかし、今日は殺されかけるではすまなかった。
殺されたのだった。
人間には、絶望した。自分が楽しめれば後はどうでもいいとしか考えていないのだから。
誰が殺し、誰が殺されようが、自分に関係なければ、知ったことでは無いと人間は思っているのだろう。
僕が、そんな人間の一人であることに、憤りを感じたこともあった。
殺される瞬間、思ったことは、
「すべての人間が憎い」
ただそれだけだった。
急に、自分の意識が戻ってきた。
同時に、自分の姿が変わっていることに気がついた。
黒ずくめの少女に、そして、人を殺すのがあたりまえである「妖怪」になっていた。
場所はよく覚えている、自分が捨てられた森だった。
横には、切り株に黒一色の笛と、矢じりのついた大鎌が置かれていた。
触れると、使い方が頭に入ってきた。
笛は、いじめられっ子と、いじめっ子のそれぞれだけに聞こえる音色を奏でるもので、洗脳なんかもできるものだ。
鎌は、人間の首を刈るだけでなく、矢じりから妖気を流し、洗脳したものに妖術を使わせることもできる。
自分がするべきことはわかった。人間を滅ぼすこと。
今宵は満月、不吉なことを起こすには丁度良い。
月の満ち欠けによって妖怪達の妖気の大きさも変わり、今は最も大きくなる状態だからだ。
僕…いや、私の復襲劇は、これから始まろうとしていた。
地面を蹴り、私は夜空へと跳んだ。
いじめっ子の家には、扉や窓などを妖術ですりぬけて潜入し、その家族ごと皆殺しにした。
むごいと思われるだろうけども、私…元々の僕が味遭わされた苦痛はこんなのではすまない。
人でなしと言われても、知ったことではない。すでに人ではないから。
すれちがった通行人を洗脳し、他の人間を殺させたりもした。
洗脳する為の音色だけは、どんな人間にでも効果があるようだ。
自分以外のいじめられっ子に恨みを晴らさせるのも、面白いかもしれない。
八件目の家では、いじめっ子女子が一人でおり、血の付いた鎌を持った私を見て怯えていた。
「お前の席、ねーから。」と他人の席を占領しながら言う女子がいた。
暗くて少しわかりにくいが、顔からしてこいつがその女子だろう。
だから、私は言ってやった。
「あなたの助かる術、もう無いから。」と。
絶望したような表情で、彼女は私に首を刈られた。
私…元々の僕をいじめの対象にしていた人間は、ざっと六、七十人はいたはずだ。
三日くらいに分けて、どう足掻くかでも見てみようか。
そんなことを考えながら、私の復襲は続いてゆく…。
…そういえば、何故少女になったのだろう?
まあ、妖怪は男より女のほうが妖気を操るのはうまいだとか、そんな理由だろう。
洗脳とか、けっこう妖気を使ったような気もするし、そういうことで納得しておこう。
出来が悪いと思われても、仕方ないだろうとか思いながら
文章を打っていました、初投稿の希那と申します。
酷評などはむしろどうぞ。その分アドバイスとかをお願いします。
連載の予定は無いですが、要望があったら後々、一旦これを消して、するかもしれません。そんな要望ないと思ってますが。