足元にあった空き缶が爆発して不意に死んでしまった世界選手権
目の前の缶をあなたは信じられるか。
ここは艦爆町艦爆1丁目。閑静な住宅街に小鳥のさえずりだけが鳴っている。青色の空には雲一つなく、飛び回っていた3匹の小鳥が電線に止まった。赤色の屋根の家が見えたらもうすぐで学校に着く。その家を囲っている灰色のコンクリートブロックの下の方に生えた苔が気になった。中1の爆発太郎はこの苔を靴で剥がしながら歩きはじめた。学校にいくのがどうにも嫌だったようだ。
「爆発!おはよう」
後ろから声がしたので剥がした苔を手でひらって投げつけた。
「苔なんか投げてどうしたんだよ」
声の主は苔森正太郎だった。
「おめーには苔が似合ってんだよ」
苔森はアスファルトの上に落ちた苔を拾って食べ始めた。
食べ終わったあとに眉間にシワを寄せて片目を見開き苔臭い口を開いた。
「は?じゃあてめぇは、爆発しろよ!」
そう言われたので俺は爆発した。
爆発すると数千度の炎が俺を包み込んだ。
業火に巻き込まれた苔森は焦げ森になっていた。
「焼かれろ」
すると足元にどこからか缶が転がってきた。
その缶は一瞬で吹き飛び、俺のみぞおちを貫いた。
缶には苔ジュースと書いてあった。
苔森、お前ってやつは、最高だな。
缶が先かあなたが先か。