表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/38

第二話 

 馬車から降りてきたのは、リリア・バインズ男爵令嬢改めリリア・デルヴィーニュ。足まで伸びる長いピンクの髪とくりくりの青い瞳と庇護欲をそそる可愛らしい顔をしていて、黙っていれば男性の目を引く雰囲気を持っている。


 半年ほど前にデルヴィーニュ公爵家嫡男ライオネル・デルヴィーニュと結婚をしたものの、彼女のせいでライオネルは公爵家の跡継ぎから外されたり、隣のベルンハルト国との戦いで大怪我を負って意識不明になるなどいろいろと良くない事が起こり、新しく跡継ぎに指名されたキース・デルヴィーニュによって、領地内の別荘へ連れてこられたのだった。



 別荘は王都の公爵家の屋敷とも領都の広大な屋敷とも違い、平屋の小さくて可愛い建物とそれとは不似合いな高さの高めな塀にて構成されていて、幽閉されるにはピッタリな場所であった。そして、門には出入りする者を一人ずつ確認出来るように詰所があるのだった。


 リリアはキースに引きずられる様に別荘のエントランスへ入ってきた。領都から付いてきた騎士たちがリリアの王都にあった荷物の入った十個の大きなカバンを持って後から入ってきた。


 出迎えるのは、騎士っぽい身なりの20歳位と50歳位の男が二人と侍女とおぼしき50歳位のぽっちゃりした女性であった。


 キースが「これがリリア・デルヴィーニュだ。よろしく頼む」と三人に紹介した。


 リリアは相変わらず機嫌が悪そうだったが、一応挨拶をしようとした。


「私、リリア・デルヴィーニュ」


 嫌々自分の名前を伝えるだけと言うぞんざいな挨拶のしかたに三人は眉をひそめる。

 騎士のうちで歳が50歳ぐらいのややぽっちゃりとした白髪の混じった茶色い髪を短くしているマイケルが一応会釈しながらもしぶしぶ挨拶をするのだった。


「俺はマイケル。ここでまとめ役をしてる。よろしく」


 歳が20歳ぐらいの騎士でスラッとしていて肩まで薄い茶色い髪を伸ばしている穏やかな顔立ちのニールが礼をしながら挨拶をする。


「僕はニールです。リリア様、よろしくお願いいたします」


 最後に50歳ぐらいで茶色い髪の毛をボブにしていて、小柄でぽっちゃりとしたマリーが声をかけた。


「マリーです。よろしくお願いいたします」


 三人がそれぞれ礼を終えたのだった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ