第二十七話
改めて、キースは四人を見るのだった。
「なんか四人揃ったら空気感が似てるから家族みたいだな」
キースのつぶやきにリリアは聞き返す。
「キース様、家族ですか?」
「リリア、俺、おかしな事言ったか?」
キースに自分の顔をまじまじと見られ、そう言われたリリアは自分の顔を確認した。すると、自分の頬が涙で濡れていることに気付いたのだった。
「私、泣いてしまっていたんですね。気付きませんでした。家族に囲まれたのが初めてで嬉しいんです」
キースが思わず聞き返す。
「初めて?」
リリアはうなずく。
「ご存じかと思いますが、私、本当の父は生まれたときからおらず、本当の母も早くに亡くなったので、家族って言う人たちに囲まれたのが初めてなんです」
「囲まれたのが初めて」
キースはリリアの男爵家の令嬢としてはあり得ないような話を聞いて気の毒そう。
「そこで泣くほど家族に恵まれてなかったのか」
リリアは涙を流しているが嬉しそうな表情を見せる。
「恵まれてるかどうかわかりませんが、母か義父のどちらかはいたのですが、両方揃っていたことがなくて……嬉しいんです」
嬉し泣きをするリリアをみてキースは言葉に詰まる。
「お前……」
キースは言葉に詰まって、マイケル、マリー、ニールの様子を確認すると三人も泣いているのだった。四人が四人とも泣いている状態にキースは焦るのだった。
「三人も泣くな!! 俺がいじめたみたいだろ!!」
マリーはハンカチで涙を拭きながらキースを見る。
「キース様、いじめられてはないですよ」
ニールもマリーに賛同する。
「マリーさんの言う通り、むしろ嬉しすぎて泣いてるだけですよ」
マイケルも腕で涙を拭いていた。
「俺達三人もリリア様と同様に親がいないから、家族って響きに弱い。それに俺もニールも結婚したことが無いから、家族って言われるのは生まれて初めてだから、――泣くなって無理~~」
そう言って、マイケルは大号泣をするのだった。四人は四様にそれぞれ泣き、中々泣き止まない。
しばらく時間を置き、四人が泣き止むのを待ってキースは次の段取りを話し出す。
「四人とも今から領都のこちらが用意したパン屋へ移動してもらう。荷造りを手伝うために人も連れてきた。今日の夕方には向こうに着きたいから、申し訳ないが、時間は二時間位しかやれん」
「みんな、そんなに荷物がないから大丈夫!!」
保証するとばかりにマリーは胸を張る。マリー、マイケル、ニールは荷物を作りに手伝いの者を連れて行った。




