第十五話
こうして、日々暇を持て余していたリリアに食事のパンを作ると言う仕事が与えられたのだった。別荘に来た時とは違う嬉しそうなウキウキした表情を終始浮かべているのだった。
リリアはパンを毎食作り、毎食三人と一緒に食事をしているうちに、手が空いていれば、三人の作業などを手伝うようになった。そうしているうちに、リリアも三人も心を許すようになり、打ち解けるようになっていった。
そんなある日、リリアとニールが庭仕事をしていた時だった。
赤い小ぶりのバラがキレイに咲いていて、リリアは嬉しくてニールに見てもらおうと話かけたのだった。
「ニール、見て!!このバラ、きれいに咲いていて良い香り!!」
「本当ですね。でも、リリア様のほうがもっときれいですよ」
リリアを優しく愛しさを込めて見つめてニールがささやいた。リリアは照れて、恥ずかしそうに目を背ける。
「そんな恥ずかしいこと、言わないでよ」
「いえ、恥ずかしくはないです。本当のことです。僕、リリア様はきれいで可愛いと思っています」
ニールはハサミでバラを切り、リリアの側にやって来たのだった。そして、切ったバラを見せる。
「リリア様、髪に飾らせていただいていいでしょうか?」
リリアが思いもしていなかったニールの提案に驚きつつもきれいなバラで髪を飾る事に反対する理由もなかった。
「ええ、お願い」
リリアが向き合うとニールがバラをリリアの左耳の上の方に差す。
「ニール、ありがとう」
リリアがニールに嬉しそうに微笑んだ。それを見たニールは愛しそうにリリアを見つめ返し、二人はしばし、無言で見つめあった。




