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僕らのバンドができるまで  作者: リリアン G
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後記  雑談

<アレックス、ポール、デービッドのバートーク>


アランがマイキーと曲を創った夜、その後、メンバーはなぜか離れがたく、朝までやっているバーへ飲みに行った。アランは珍しく来なかった。


あれだけ発散していた彼なのに、今日は不思議に消耗していなかった。

3人は、バーのコーナーに固まって座り、お互いにちょっと気まずい感じで乾杯をした。


アレックス:なあ、僕たちって、このメンバーで飲んだこと初めてじゃないか?お互いに仕事がダブルだから、いつも駆け足で、ゆっくり話す時間なんてなかったよな。でも、アランなしだと、なんか変だね。


ポール:僕もデービッドとは初めてだ。バーにも行ったこともない。僕たち、音楽の話以外ほとんどしてないよな。今日は、アランが突き抜けちゃって凄い光だったな。

これまで張り詰めてた緊張がとれてたよな。パフォーマンスもホットで、急に魂入ってきた。


デービッド:俺はさ、二人がインテリなもんで、近寄れなかった。(笑)アランは変わったね。

人が壁を超えるのを見るのって勇気が湧くぜ。マイキーってすごいやつだった。アランの歌唱力を格段に上げたね。あそこまで持ってけるなんて。今日はアランがセクシーに見えたぜ。(笑)


ポール:デービッド、それはないよ。僕は、法廷ではクールだが、お高くはとまってないよ。(笑)イルミナは、アランでさえ対等というバンドだぜ。(笑)だけど、アランが壁を越えたことは、嬉しいよね。

野獣が放たれたとは、このことだよね。感動した。


アレックス:僕も壁を超える前、本当に気が狂うかと思った。アランもずっとテンパってたいたよね。そばに寄るのも恐ろしかった。(笑)


デービッド:俺さ、イージーゴーングな性格だからな。自分の壁って何なんだろう?ねえ、みんな何だと思う?


アレックス:デービッドの壁は何だろうね?結婚かもね?身を固めるときに、たぶん現れるよ。(笑)


デービッド:僕は音楽で壁を越えたいね。


ポール:大丈夫、必要な時に、突然、アランが凄い要求を突き付けてくるからさ。その時まで自由にやってれば?僕の時も、きつかったけど。彼は要求をストレートに投げつけてきたが、でも彼は基本、優しくて、温かいやつだということが分かった。(笑)


アレックス:そうか、ポールもついこの前、変わったよね。そうだったんだ。僕の次はポール、デービッドが次だな。覚悟しとけよ。(笑)でも超えると楽になって、自分をもっと開放できるようになる。


デービッド:そうか、恐ろしいね。(笑)ま、いいか、俺は取り越し苦労しないタイプだから、その時考える。(笑)ねえ、もっと飲もうぜ、怖いアランがいないんだからさ。(笑)


デービッドは手を上げて、みんなの飲み物を注文した。


ポール:ねえ、誰かアランは、前に何してたか知ってる?職業柄気になるんだ。ちょっと調べてみたが、全く痕跡がないんだ。どこにも。不思議だと思わない?あれほどの才能のやつが。


デービッド:そうね、もしかして宇宙人か、魔法使いかなんかだろ?(笑)


アレックス:エイリアンか?地球に同化できなくて、体調をアジャストできない。だから医者嫌いか。


デービッド:そうかもね。または実は中世の魔術師が、現代に復活とかさ。そういうファンタジーが似合ってるね、やつは。でも、俺にはそんなことどちらでもいいんだ。彼が好きだから、一緒にいたいし、

マジックも好きだよ。イルミナの楽曲は、すべてマジックがかかってって、みんながハッピーになる。

そういうファンタジー好きだね。俺ディズニーで育ったからさ。(笑)


ポール:僕もそうさ。彼は僕たちや曲を聴く人に、光、パワー、メッセージを送るよね。可能性とか、夢とか、愛とかね。伝えたいね、みんなに。魔法の金の粉かけて。(笑)


アレックス:そうだね、愛とか、希望とか、勇気とか、目に見えない価値を、感じてもらいたいね、僕らの音楽で。アランは、まさにジ・アーティストだ、最高のファンタジーを創り出す。

ところでさ、彼にはガールフレンドいないの?誰か知ってる?まさかカイルとか?(笑)


デービッド:それは違うよ!カイルには彼女がいる。


アレックス:そう、じゃ、デービッド、君か?まさか?(笑)


デービッド:やめてくれよ。俺に振るなんて、俺は女だけだからな。(笑)ま、アランもストレートだ。

ところで今日のあの曲ね、俺が推測するには、あれはアランの一番大切な女に捧げたんだと思うんだけどな。すごく思いが入ってたぜ。


ポール:別れの曲だよね。そして旅立ちの。美しすぎて、胸が詰まったよ。


デービッド:そう、過去への決別の曲。たぶん彼を支えていた女へ。ぞっとするほどきれいな女だろうな。


ポール:なんかデービッド、目が飛んでるんだけど、その女知ってるのか?(笑)


デービッド:いや、なんで?、、、ところでポールは彼女いないの?そういえば。


ポール:えっ、僕、結婚してるって知らなかった?


デービッド:えーっ、知らなかったぜ。何で今までそれを隠し通せたのかな、ポール、お前も只ものじゃないぜ。(笑)彼女を俺のバーに連れて来いよ。美味しいカクテル作るからさ。(笑)


ポール:その内ね。彼女はビジネスウーマンでNYベースで働いているんだ。遠距離結婚なんだ。だからこんなこと続けられるんだよ。(笑)


デービッド:へえ、それじゃ。その内、アメリカ公演が楽しみだな。彼女は知ってるの、イルミナのこと?


ポール:知ってるよ。でないと僕の浮気が気がかりだろ?僕が忙しすぎるから、彼女は安心してるんだ。(笑)


アレックス:それで、君はどうなの、デービッド?彼女は?複数かなあ。(笑)


デービッド:今、物色中さ。(笑)最近、告る前に振られて、その後がないね。(笑)

その女に生まれて初めてときめいたのにさ。めっちゃきれいな女だった。


ポール:へえ、それは残念だね。(笑)でも君には、いつでも女が寄ってくる。その黒いカーリーな髪、適度な筋肉とクールなタトゥ、そして決定的は、煌めく漆黒の瞳。(笑)


デービッド:確かにみんなが、俺は今風にホットに見えるっていうけどさ、それは自覚してるけど(笑)

見かけで寄ってくる女には閉口してる。まず、本命じゃないね。ま、いいさ。俺はアランに今、夢中だし。(笑)


ポール:デービッド、君、本当に危ないな~。(笑)


デービッド:大丈夫、大丈夫。アランは雲の上さ。(笑)彼には、その歌の女がいるんだし、俺はただ彼と一緒と音楽したい。ついていくだけさ。でもこれって、実は、愛かな?(笑)友情かな?お前たちにも似たものを感じてるよ。(笑)信頼していてさ、家族みたいでさ。こんなのクールな仲間が出来たのはアランのお陰だぜ。彼、本当に不思議なやつだよな。温かくて、クールでさ。

アレックスとポールはうなずき、また酒を注文した。


店でイルミナの曲がかかった。

お互いに顔を合わせ微笑み、他人の曲のようにリズムに合わせて体を動かし始めた。


そのうち、誰からともなくお互いの肩を組みあい、

体を思いっきり揺すって、アランの声に合わせて歌いだした。


END




能力の限界を超えて夢に挑む話をファンタジーにしてみた。

人間は生きている間に、その能力の一部しか使っていないという。

子供のころに帰って、もう一度やり直せたら何をやりたいですか?

もう一度、夢を追う勇気がありますか?

頑張ってください!

そういう思いを込めて綴りました。

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