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根暗と呪いの同棲生活  作者: ネネル
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始まりと終わり

初めまして。

今日から小説家になろうで投稿を始めます「ネネル」と申します。以後、お見知り置きを。

これから頑張っていきますので、応援、宜しくお願いします!

ガヤガヤと顔も知らない誰かの言葉が大量に飛び交い雑音を作り続ける。

左を見ても人。右を見ても人。前を見ても後ろを見てもどこを見ても沢山の人がいる。

こんな人混みを見て喜べるのは田舎者かテロリストだけだ。いつもの俺ならば喜ばない。



けれど、今日の俺は違った。

紺色のジーンズに黒のシャツ、黒のジャケットを着込み、目付きの悪さを少しでも緩和するべく黒縁の眼鏡を掛けた万全のコーディネート!

不潔と思われないようしっかり朝から風呂にも入りメンズ用の香水も付けた!

今の俺に死角はない!さあ、かかってこい!


「すみません、タイプじゃないので。あと香水の匂いキツイです」


そんな俺の気合も意味をなさず、無様に失恋。

彼女に真顔で振られた俺は、その場で呆然とただ立ち尽くした。


彼女と俺は高校の同級生だった。

教室に知り合いがいないかキョロキョロと見回していた時に、向こうから話しかけてきてくれたのが彼女で、それが彼女との初めての出会い。

彼女はとても可愛くて、人生で初めて一目惚れをした。


だからこそ、今思えばそこで既に結末は見えていた。


彼女は誰にでも優しかった。

同級生は勿論、年下や老人、そして俺にも。

その優しさを俺への恋心だと勘違いしてしまったが故に、俺は暴走し告白し、無様にフラれ、今に至る。


「そんなのってねぇよ……」


10分以上立ち尽くし、ようやく出た言葉がそれだった。

戻れるのなら今すぐにでも過去に戻りたいが、今のところタイムマシンが完成したというニュースもないし、俺はタイムリープなんて魔法めいたものは使えない。

激しい後悔で今にも車道に飛び出して人生を終わらせたいが、そんなことをしたら運転者にも迷惑だしSNSにも晒されるしで小さな勇気は萎んで消えた。


「……とりあえず帰ろ」


小さな声で呟きながら帰路を急いでいると、目の前を小さな子供が駆け抜けた。

風船を2つ持ち、後ろから追いかけている母親らしき人の声も聞かず、走り回る。

それをなんとなく目で追っていると子供が車道に飛び出した。


「おい坊主!こっち来い!」


一瞬よく分からず困惑したが、自体を理解した俺は焦りながら大声で呼ぶが、子供は聞く耳持たずという感じで止まらない。

俺の声が終わるより早いか、車が子供に向かってきていた。

脇見運転か電話中かは知らないが、減速しないところを見ると子供に気付いていないのだろう。

もし俺がアニメの主人公ならば、今から走れば少年を抱きしめ転がり、轢かれずにすむのだろう。


だが俺は主人公じゃない。

子供を助けて自分も助かるなんて不可能だ。

やけに早い思考の中でそう結論付け、出した答えは目を瞑り耳を塞ぐこと。

そうすれば俺は傷つかない。俺は助かる。


けど。


そんなことをしたら俺は今日から毎日子供を助けなかったことに苛まれるだろう。

俺は勘違いして舞い上がって告白してフラれただけでなく、子供を助けられなかったという罪悪感に押しつぶされそうになりながら生き続けるのだ。


そんなのは嫌だ!


考えるのなんか後でいい!

彼女に告白した時みたいに自信を持て!

耳を塞いでいた手をどけて。

閉じていた目を開けて。


俺は主人公じゃない。

だからどうした?主人公を庇って死んでいった人達は沢山いた。俺もその1人になればいい。


子供を助けて自分も助かるなんて不可能だ。

ならどうする?ここで諦めるか?


全力で足を動かす。


目は瞑らずに、子供だけを見つめる。

目を閉じたら何も見えない。


全力で叫ぶ。


耳を塞がずに子供へと手を伸ばす。

耳を塞いだら何も掴めない。


全力で子供を突き飛ばす。


子供は車線上から突き飛ばされ。

俺は車線上で倒れて。

加速する思考の中で、迫り来る死の恐怖と、やってやったという達成感を味わいながら、俺は意識を手放した。

記念すべき第1話でしたが、いかがでしたでしょうか?

面白い、つまらないなどどちらの感想もお待ちしておりますので、お気軽にコメント下さい。

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