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ジャンル・オブ・ウォー  作者: 鈴屋龍造
プロローグ
1/5

1.起動《ログイン》

昔書いてたものって、何か思い入れが少なからずあるんですよねぇー……。


 俺の人生は、一本のゲームソフト『ジャンル・オブ・ウォー』に出会い、全てが変わってしまった。


 ──数年前。

 この世のゲーマーなら誰しもが一度は耳にした事のある、一人のトッププレイヤーが存在し。

 彼は幾つもの偉業とも言える、記録を保持した。

 一度プレイしたゲームは全てランキング一位に名を維持。

 自身が参加した大会全ジャンルで優勝を総なめしたという、ゲーム業界きっての神プレイヤーとまで言われた彼の名は、『黒猫クロネコ』。

 ──だが、ある戦いで付けた一度の黒星と共に、黒猫クロネコはゲーム業界から姿を消した。


「あー、暇だ……」

 "人生適当”と書かれたTシャツに、ジャージのズボン。

 余りにもみすぼらしくだらしない格好をして、ベッドに横たわる男の名は『黒乃護くろの まもる』。

「にゃー」

「──どした?『マサムネ』。お腹でも空いたのか?」

 横たわったままの護に擦りつき、甘えた様に何かをねだる黒猫マサムネ

 黒猫マサムネにご飯を与える為にベッドから離れ、キャットフード片手にエサ入れへ。

 あの敗北か何年もの月日が経過した。

 一度はゲームから身を離し、完全に辞めようとさえしていた。

 ──が、俺にはそんな事も出来るはずもなく。

 今では気晴らし暇つぶし程度に、ゲームを学校にも行かずやり。

 黒猫マサムネと自宅警備をする日々を、送っていた。

 つまんねぇんだよな、どのゲームも。

 あの時の敗退からゲーム自体に身が入らないし……。

「ガツガツ食うなぁー、マサムネ。誰もお前の飯取らないし、喉に詰まらせるからゆっくり食べろよ?」


「すいませーん! 宅配でーす!」


 来客を知らせるチャイム音と共に、男性の声が聞こえてきた。

「はいはーい! 今開けますよ」

 宅配の人から小包を受け取ると、男は挨拶を残して帰宅。

 護は手にした小包を眺め、

「誰からだ? ──送り主は不明か」

 床に座ると怪しさが残る小包を開けてみる事にし、封を破り開ける。

 中には一本のPC専用ゲームソフトと手紙が。

 何々……。

 当選おめでとうございます。

 黒猫クロネコ様を我々の世界ゲームに招待致します。

 ──何だこりゃ?

 そもそも何で俺のプレイヤーネームを知ってやがるんだ? あの頃使ってたネームを。

 とは言え、ゲームねぇ。

『ジャンル・オブ・ウォー』と書かれたパッケージを手に、まじまじと見ていた。

「どう思うよ、マサムネ。怪しさがプンプン匂ってくるよな」

「にゃー?」

 食事を終え、傍らにいた黒猫マサムネをひょいと持ち上げて膝の上に乗せ、テーブルにあったゲーミングノートパソコンを立ち上げ。

「やることないし、ちょっと面白そうだから起動してみるか」

 ゲームソフトをCDドライブに入れてみた。

 すると画面が光を放ち──収まると部屋に黒猫マサムネを残して、護の姿は無くなっていた──


ご愛読ありがとうございます。

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