チュウヤサイ
中夜祭は予定通り行われた。
しかし、私たちはいつもの旧パソコン室にいる。
「なぁ、キラリ」
輝間くんが言った。
「探偵のお前はなぜここにいる?」
「なぜって普通に学校に来てるだけよ」
「じゃ、ひとつ聞くが文化祭の準備の五日目。お前はここで何をしていた」
「調べものよ」
「いや、それはない。お前はあのとき、パソコンをつけてなかった。だから、調べものはしていなかった」
「そのあと調べようと思ったのよ」
「で、お前はそのあとここにきたか?」
「忘れていただけよ!」
「探偵であるはずのお前が?そんなはずはないだろう」
キラリは黙ってしまった。
「さぁ、教えてもらおうか」
「影山よ」
「え?」
全員で驚いた。
「ある日、私たちの事務所に匿名で依頼がきたの。影山、およびその周辺の人物を調べろみたいな内容のね。だから私はここにいるの。そして調べていくなかで周辺人物で特に私の興味をひいたのがアケミだったのよね」
「アケミがどしたの?」
私は聞いた。
「アケミが影山と一緒にホテルから出てきたのよ」
「え」
全員で驚いた。
「私はアケミの周辺も少し調べることにしたわ。数日間みてると、アケミはヒカリと一緒にいることがおおいってわかったわ。だから、ヒカリをすこし尾行してて、あなたがここに入ったときの会話を聞いてたらすっと消えたの。気になって入ってみたら突然あなたたちが現れたってとこよ」
「影山先生が…アケミと…」
私は絶望した。二人のそんな関係を知らなかった私はとんでもないことを知ってしまったような顔をするしかなかった。
そのとき、この部屋の電気が消えた。
私たちはみんなのいる、中夜祭をやってる講堂へと向かった。
講堂もまっくらだった。
しかし、私たちがついたときに、電気がついた。
講堂の正面には落書きがされていた。
「アケミトヤナギサワハユウカイシタ。カエシテホシケレバジャマヲスルナ」
そう書かれていた。
そして、正面のステージにとんでもないものがいた。
正確に言うならばとんでもないひとがいたのだ。
黒田先生だった。
アンナ先生がやって来て、黒田先生にさわる。
「冷たい…」
アンナ先生はそう言った。
中夜祭は中止になり生徒は帰らさせられた。
帰り道でのことだ。
「キラリ、調べてほしいことがある」
そう言って輝間くんとキラリは闇夜に消えた。
私と明島くんはそれぞれの家に帰った。