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3.正解は異世界『移転』でした

 とりあえず、僕は異世界転移したみたいだ。

 それもこのコンビニ、【スマイルストア】と共に。

 ……もしかして、僕の転移特典がこのコンビニだったりするのだろうか?

 そう思って僕はこのコンビニを調べて見ることにした。


 店内は至って普通のスマイルストアだ。でもどうやらこの店舗は新装開店したものらしい?

 棚の配置やレジなどの備品は僕が九年勤めていた店舗のものと同じだけど、全て新品に取り替えられていた。店舗内のトイレだってピカピカの新品だったんだ。


「あれ?」


 そしてバックヤードに入って、僕は初めて明確な異変を目にした。

 在庫管理や発注などを行う業務用のディスクトップパソコン。その電源が付いており、モニターには見慣れない画面が映っていた。


「新店舗を担当するオーナー、春夏冬(あきない) (はじめ)様へ……!?」


 画面に映っていたのはある文章だった。


『この度、我がスマイルストアは新たな事業挑戦として、新店舗を異世界へ展開していくことにしました。つきましては優秀な従業員かつ、オーナーを志す新進気鋭の相応しい人物を探しておりました。春夏冬様はその条件にこれ以上ない程に当てはまりましたので、異世界の新店舗オーナーを任せることに決定いたしました』


「……へ?」


 つまり、何? 僕は異世界へ進出したスマイルストアの新店舗のオーナーを任されたってことなの!?


「いや、ちょっと待ってよ! 僕は了承した覚えとかないんだけど!! こういうのって事前に連絡とかあるよね!!?? 報連相はしっかりしようよ、何やってんの本部!! というか決定いたしましたって、勝手に決めないでよ!?」


『春夏冬様が異世界の地でもスムーズに営業出来るよう、今まで勤めていた店舗をリフォームし、異世界へ店舗移転いたしました』


「通りで何もかもが新しいと思ったよ! えっ、というか店舗はそのまま持って来ちゃったの!? 配慮の方向違くない!?」


『それでは本日より、ロンダール迷宮第一層店の担当をどうぞよろしくお願いします』


「ロンダール迷宮って何!? ここって迷宮の中なの!? 何でそんなとこに店舗移転したんだ!! 普通は街中とかじゃないの!?」


 文面にいくらツッコミを入れても答えは返ってこない。そりゃそうだ、これはチャットじゃなくて、一方的な辞令だから。


 分かったことは……僕はいつの間にか異世界の新店舗オーナーになっていたこと。長年勤めた店舗と共にこの地にやってきたこと。そしてここは迷宮の中だと言うこと。

 スマイルストアの本社にそんな異世界を渡る超常的な力があったなんてのにも驚いたけど……一つ言いたいのは……。


「これ僕が異世界『転移』したんじゃなくて、店舗が異世界『移転』したってことなの……?」


 そりゃ僕にチートとか魔法がないわけだよ……。



いずれ閉店になる店舗で、ベテラン従業員でオーナー志望の若者がいる……ヨシ!

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