表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/66

25.迷宮コンビニの朝①

 だいぶ異世界でのコンビニ業務にも慣れて来て、それが日常になりはじめてきた。


 このロンダール迷宮第一層店の営業時間は現在朝7時から始まり、夜19時までとなっている。この営業時間は僕がワンオペしていた頃の名残だ。

 従業員も増えたから営業時間を増やしたり、深夜営業をしようかなと少し考え中だ。


 今日も朝の掃除から一日が始まる。掃除に関しては警備で来ている騎士団の人たちも手伝ってくれるんだよね。


「げっ……また迷宮ゴミが捨てられている……」


 外に置かれたゴミ箱に突っ込まれていたのは折れた弓矢や使い切ったポーション瓶だった。

 このコンビニのゴミ箱は入れたゴミが瞬時に消える仕組みだけど、中には消えないゴミがある。

 どうやらこの世界特有のゴミは処理できないみたいで、ゴミ箱に入れても転移して消えることがなく、そのまま残るのだ。

 このゴミ箱に入れて消えるゴミはコンビニ商品などから出るゴミだけのようだ。


 たぶんこの弓矢やポーション瓶などの迷宮ゴミが、家庭ゴミ扱いされているんだろうなぁ……。元の世界でもコンビニで家庭ゴミを出すような迷惑な人がいて困ったことが何度もある。


 ちなみにコンビニで販売しているポーション瓶であっても対象外だった。これは資源回収の対象ではないからかな? ポーション瓶は製造販売元の錬金術師が回収しているからなんだろうけど。

 というか、ポーション瓶の回収は普通にやってるからゴミ箱に出さないでよ……。回収したポーション瓶はいつもクローバー商会の人に処理をお願いしている。ちゃんと専用の回収ボックスでも用意すればマシになるかなぁ?


「何これ、折れた剣まで入ってるんだけど!?」


 まったくなんでこんなものまで! しかも燃えるゴミに入れないでよ! そこはせめて燃えないゴミじゃないの!? いや、まさか溶かして打ち直せるから燃えるゴミだと思ったのか??

 ポッキリと半分に折れた剣を手に持つ。……半分折れてるのに重い……。


「ハジメ殿、そのゴミはこちらで処理しておく」


「いつもすみません、アイリスさん」


「いや、こちらこそすまないな。探索者たちには注意をしているのだが、まだまだ分別の知識が広がってないようでな……」


 まぁ、こっちの世界にゴミの分別だとかの意識は低そうですからね……。


 こういううちの店で捨てられないゴミに関しては、迷宮騎士団に回収を頼んでいる。

 迷宮内でのゴミ回収も実は迷宮騎士団の仕事の内らしい。

 下手に武器や道具をそのままにしておくと、知能があるタイプのモンスターがそれを手にするから少し危ないのだそうだ。


 ちなみに、コンビニ商品のゴミに関して。どうやら店外に持ち出されてゴミとなった商品に関しては、時間が経つと消えるのだそうだ。

 アイリスさんが地上でおにぎりを食べた後に残った包装のゴミが目の前で消えたという。たぶん、転移魔法か何かの力でそのゴミは消えたのだろう。


 ポイ捨てによる環境汚染の対策がしっかりされてるなぁ……。まぁ、僕の世界からもたらされたゴミから何かが起こる不安はなさそうでよかったよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ