表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/134

51、ローゲ温泉で一息

 俺たち一行は、まずローゲ温泉に向かった。今回はトリ車も取り入れた。トリ車はスクとランダに任せた。荷物がだいぶ軽くなり、帰りにはたくさんの素材を積み込むことができる。スクは意外にもトリ車の扱いが上手く、器用に操っていた。


 俺とサクヤ、護衛の一人はそれぞれトリーマに乗り、ランダはスクと一緒にトリ車に乗っている。


「このトリ車さん、すごく楽なのです」

「ランダ、操縦代わってよ。ぼく足が届かなくて疲れるんだ」

「スクくんのほうが上手なのです。トリさんも嬉しそうなのですよ」

「そんなこと言って、変わりたくないだけでしょ?」

「わたしはここに乗ってるだけでも、割と上出来なのですオロ」

「うわああやめてやめてやめて」


 どうやらトリ車組は楽しそうにやっているようだ。


 こうして、俺たちはローゲ温泉に到着した。王都からの道も半分は整備されていたおかげで、思ったより早く、しかも疲労感も少なく到着できた。


「おお、カナデさん、また来たんだべか? よう来たのう」

「村長さん、こないだぶりですけど、おかわりないですか?」

「おお、カナデさんだべ」

「わあ、またカナデが来てくれた~!」

「カナデさん、みなさん、まずはお風呂に入ってくださいな」


 こないだの視察ぶりのローゲ温泉。最初に来たときよりも施設は拡張されており、豪華とまではいかないが、十分な規模になっていた。


「行くぞ、ランダくん! この温泉はとても気持ちいいのだ」

「温泉……こんなにたくさんのお湯が出るのですか? すごいのです!」

「お言葉に甘えて、みんなで温泉につかりましょうか」


 俺たちは旅の疲れを癒すため、温泉へ向かった。


「フン、こんなのただのお湯でしょ? いうてそんなに気持ちいいわけがハァアアアアアアア!!!」


 そんな即オチ二コマを決めて、首までお湯につかるスク。

 隣の女風呂からも同じような吐息が聞こえ、俺たちは存分に温泉を堪能した。


 風呂上がりには、みんなで牛乳を飲む。


「ゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクぷはぁ!!」

「ゴキュゴキュゴキュ……この牛さんのお乳、すごくおいしいのです!」

「フン、こんなのただの牛乳じゃないか。ゴクゴクゴクふむう、これはただの乳ではないですね?」


「わかるか? スク。ここの牛さんは、他では育たないブランド牛なんだよ」

「ブランド牛? なにそれ?」

「ま、まあ特別な品種ってことだよ。薬草にも、なかなか採れない種類があるだろ?」

「まあね。でもカナデには見分けつかないだろうけど」


 生意気なやつだ。まあいい。あとでこの牛の焼肉で卒倒するがいいさ。


「牛さんが、なかなか増えねえんだべさ……」


 どうやらここローゲの特産である『ダーヒ牛』の数が思うように増えていないらしい。


「少しはお出しできるんで、食べてってくだせえ」

「以前、歌を歌ったことで増加にはつながりませんでしたか?」

「いんや、牛さんの体調はいいんだけど、なかなか数が増えねえんだべ」

「どうしてでしょうね……?」

「でも少しずつは増えてるんで、このままでもいいんだべよ」


「ふーん……」


 なにやらスクが牛をじっと見つめている。


「ああ、わかったよ。たぶんだけど、病気してるんだと思う」 


「病気……?」


 なるほど。確かに牛にも特有の病気があるかもしれない。


「ぼくが調合した薬で治るかもしれないよ」

「おお、坊ちゃん本当け? お願いしてもよいかのう?」

「いいんだけど、素材がないよ。一度ヤトマに行って調べてみないと」


 スクはすぐにでも行こうと促してくる。……まあ、スクの本当の目的はヤトマ村に行くことだったしな。


「よし、じゃあ俺とスク、それから護衛の方一人でヤトマ村に行こう。サクヤさんとランダさんはここに残って、木材探しをお願いしてもいいですか?」


「うむ、そういうことなら構わないぞ。任せておけ」


「わたしは移動が苦手ですし、この辺りは森も多いし、ちょうどよかったのです……温泉もあるし(ボソ)」


 こうして、俺たちは二手に分かれて、それぞれの目的へ向かうことになった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ