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38、ソウリュウとランダ

「カナデさ〜ん、移住希望の人が来てるよ〜」


 俺たちがいつも通り、みんなでお昼ご飯を食べようとしていた時、門番兵が駆け寄ってきた。


「え?もう?まだ鳩を飛ばして一週間くらいだけど?」

「それが、どうもこの近辺で暮らしていたらしいよ。話を聞いてあげてよ」

「わかりました。すぐに行きます」


 俺とサクヤは、王都の東にある門までトリーマに乗って急いで向かった。



 そこには老年の男性と、若い女性が立っていた。


「ソウリュウと申します。こちらは娘です」

「ランダと申します」


 歳の離れた親子だった。二人ともまさに職人といった出で立ちで、今すぐにでも何か道具や装備を作ってくれそうな雰囲気をまとっている。


「わざわざお越しいただきありがとうございます。カナデと申します」

「サクヤと申します」

 今は王女ということは言わないのかな?


「こちらで職人を募集していると聞き、馳せ参じました。ぜひワシらを使っていただきたい」

「なるほど、それは頼もしい。では、まずお話を伺いましょうか」

 サクヤが一歩前に出て対応する。


「ワシらは主に鉄と木を使った道具や武器を作れる。鎧も、材料があれば製作可能ですぞ」

 ソウリュウが鼻息荒く、自分たちの技術をアピールする。


「どういったものを作ってこられたのですか?」サクヤが尋ねた。

「最近は鍋や大工道具のような簡単なものだったが、今は素材がとにかく足りん。まずはそれ次第といったところですかな。ワシらは採掘などもできますぞ」

「おお、それは願ってもない。ちなみに、この辺りに鉱山などはあるんですか?」

 俺の土地勘の乏しさを補ってくれるかもしれない。


「探せばあるでしょうな。それらしき山もありますぞ」

「では、さっそく行ってみましょうか。ね、サクヤさん」

「う、うむ。行ってみようか」

 ……? なんだかさっきからサクヤの様子がおかしいな。



「このあたりがちょうど鉄が出そうじゃのう。きっと近くに石炭もあるぞい」

「それはすごい。では、ソウリュウさん、ちょっと離れていてください」

 俺とミトでしばらく演奏をしてみた。いくつか曲を試したところ、ちょうど鉱石が光る曲を見つけた。


「わぁ、すごいのです! こんなに簡単に鉱石が見つかっちゃうなんて、すごいのです!」

 ランダが無邪気に喜び、俺とミトに駆け寄ってピョンピョン跳ねている。


「……」



 鉱山を見つけたら、今度は採掘だ。まずはソウリュウに少しだけ鉄鉱石を掘ってもらい、それを使ってツルハシを作成。こうして道具を増やし、採掘する人員も増やしていく。

 採掘の掛け声を歌にして作業すると、掘る速度が格段に上がるらしい。

 これで素材不足は解消できるだろう。


 ーーーーー


 俺たち一行は、一旦王宮の会議室へ戻ってきた。


「ランダは木工が得意ですぞ」

「ハイなのです。ワタシはどんな木でも色んな形にしちゃうのです」

 自信満々といった様子だ。


「例えば、どんなものを?」

「日用品から工芸品まで作れるのです。おうちみたいな大きいものも、設計からできるのですよ」

 鼻息荒く胸を張る姿は、親子でよく似ているな。


「そ、そうなんですね。では、細かくて複雑なものも作れますか? 例えば、こんなの」

 俺はピッコを見せてみた。さすがにこれは難しいかな? 小さいし、繊細な技術が要求されるし、うーんなんていうの?俺が苦労の末に作り上げた割と自信作

「うう〜、こんな雑な作りじゃ木がかわいそうなのです! 穴の開け方も雑だし筒の彫り方も雑だし第一木の乾燥がしっかりされてなくてこれじゃあとで変形してしまってまるでダメなのです! 誰が作ったのですか?」

 雑雑言われた挙句全否定されしかも作り手を呼べと言われる始末。俺は後ろを向いてミトを見たが、そっぽを向かれてしまった。


「あはは……まあ、これはとりあえず置いといて」

 ひとまず話を変えることにした。


「まず、この王都周辺は木材不足だと思うのです。建材に必要な木の種類や、道具や武器の柄、それからその『ピッコ』という『ガッキ』? 多分それに似合う種類の木がないのです」

 なるほど。何でもかんでも同じ木を使えばいいわけじゃないのか。


「よし、わかった。では、木材を探しましょう。まずは各地に鳩を飛ばし、その地方に生えている木の種類を教えてもらい、王都周辺で育つか実験してみましょう」

「ハイなのです!」


 こうして、鉄と木材の問題が一気に解決の方向へ向かう。本当に、人材とはありがたいものだ。

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